韓国検察の直接捜査権を全面廃止する刑事訴訟法改正案が4日、李在明(イ・ジェミョン)大統領が青瓦台(大統領府)で主宰した国務会議(閣議)を通過した。進歩(革新)系与党「共に民主党」は先月31日、国会でこの改正案を強行採決していた。
刑訴法改正案の審議・議決に先立ち、李大統領は冒頭発言を通じて「拒否権行使というのは、意見が異なるからといってできるものではない」とし、「この法案が違憲、執行不能、国益背反、行政府固有権限の侵害など、国会の立法権を否定するほど深刻な状況だと見るのは難しい」と述べた。先に野党は「希代の悪法」だとして大統領の再議要求権(拒否権)行使を求めていた。
この日の国務会議を通過した改正案は、検事の直接捜査権、直接令状請求権、送致された事件に対する補完捜査権の法的根拠をすべて削除する内容だ。裁判所の公訴棄却事由も「重大な違法捜査」や「公訴権の乱用」がある場合にまで拡大した。法曹界や学界などはこれまで、この法案が施行されたら「社会的弱者、犯罪被害者の権益に深刻な被害をもたらすだろう」と懸念してきた。
しかし、李大統領は「検察が捜査権限を利用して事実上の独裁を行ってきた」とし、「事必帰正(すべての事は必ず正しい道理に帰する)の必然的な措置」と述べた。ただし、李大統領は「弁護士を長い間やってきたが、検察はもちろん、警察の捜査も信じられなかった」「不足している部分や間違っている部分があれば、迅速かつ果敢に、徹底的に補完していく」とも語った。
野党からは「72年間維持されてきた検察の捜査権を一夜のうちに無くしておきながら、『間違っていれば後で直す』と言うことほど無責任な言葉があるだろうか」という批判が出た。野党は、裁判所の公訴棄却事由の拡大も「李大統領の裁判を無くそうとする目的」だと見ている。