李在明(イ・ジェミョン)大統領と与党の重鎮たちによるゴルフ会合の事実が伝えられ、改憲論争が触発されると、李大統領は交流サイト(SNS)に投稿して「大統領の4年重任制または連任制へと改憲しようというのが一貫した見解だ」と述べた。そして、改憲のために大統領の任期を短縮することもできるとまで言った。与党を中心に提起されていた改憲問題に、大統領が公に参戦したのだ。だが、そう言いながらも、「改憲しても自分は連任しない」という言葉は最後まで口にしなかった。
李大統領の改憲に関する見解は目新しいものではない。李大統領は2022年の大統領選の際にも全く同じ発言をしていた。現行の大統領制に問題が多く、変えなければならないということは、李大統領だけではなく与野党の政治家全員が同意している事実だ。ならば、今すぐにでも改憲が行われるべきだが、実際には全く進んでいない。政界がこの問題を政治的な損得勘定に応じて政略的に持ち出してきたためだ。
2024年12月3日の非常戒厳後に実施された昨年の大統領選は改憲の絶好のチャンスだった。大統領選の2か月前、禹元植(ウ・ウォンシク)国会議長が大統領選と同時に改憲の国民投票を行おうと提案し、大統領選候補者たちもおおむね同意した。唯一反対したのが共に民主党の大統領選候補者だった李在明大統領だ。李大統領は当時、「今は内乱の終息が先決だ」と言った。李大統領は当選が厳しかった2022年の大統領選の際には、任期短縮の改憲まで提案していた。それなのに、選挙の勝利が確実な状況になると改憲議論を先送りにしようと言い出し、再び就任からわずか1年で改憲カードを切っている。状況に応じてアプローチが変わるから、その真意が疑われているのだ。
最大野党の国民の力は「李大統領の改憲カードは『連任のための小細工』だ」と主張している。憲法は改憲時の大統領の連任を禁じているが、李大統領の周辺からはこれを否定するかのような発言が相次いでいる。親・李在明派の国会議長は大統領の連任について「主権者である国民の選択の問題だ」と語り、大統領の側近たちも公の場で同様の発言をしてきた。李大統領が自らの口で「連任はしない」と一言、宣言さえすれば済む話であるのにもかかわらず、ただの一度も口にしていない。
非常戒厳と弾劾を経て、「現行の大統領制を変えなければならない」ことに共感する国民はかつてないほど増えた。国会の世論調査では、回答者の約70%が「改憲に賛成する」と答えている。しかし、今回も改憲の議論が順調に進むとは思えない。改憲のために誰よりも犠牲を払うべき人物が現職大統領であるのにもかかわらず、李大統領の改憲の意図が私的な動機と関連しているのではないか、と疑われているためだ。その疑念を晴らすことができるのは、結局のところ李大統領自身だけだ。