金勝源(キム・スンウォン)法相候補者は7日、人事聴聞会準備団への出勤途中に取材陣と対面し、「もっと慎重に行えなかった点については重く受け止めている」としつつも、「食品医薬品安全処(食薬処)に不正な請託をしたことはない」と釈明した。また、「検察は捜査の結果、不正な請託だとか公正な審査を歪曲しただとかは無いと認め、関連の食薬処長、公務員らは皆無嫌疑となった」と付け加えた。
しかし、株価操作を根絶して資本市場の法秩序を確立することを目標とする李在明(イ・ジェミョン)政権の基調から見ると、金候補のこれまでの行動は適切ではなかった。知人であるヤン氏の頼みを受け入れ、2021年10月12日に食薬処長に対し、コロナ治療薬の開発会社であるジェネンセル(GENENCELL)の臨床試験計画を迅速に処理するよう要請した。
金候補は「請願者の苦情を関係機関に伝えた公益活動」だと主張するが、公開されたヤン氏との電話でも明らかになった通り、赤面レベルの私的請託という性格が強かった。これよりもはるかに深刻な問題は、この時から、KOSDAQ上場企業である世宗メディカルに投資した個人投資家たちにとっては「あり地獄」の扉が開かれた―という事実だ。その地獄の扉が開くように積極的に奔走した人物こそが、金勝源法相候補者だった。
金候補の要請後、「マネーゲーム」の幕が開けた。1週間後にジェネンセルは、正体不明の投資組合の手に渡ったKOSDAQ上場医療機器メーカー、世宗メディカルの子会社となった。そしてさらに1週間後の21年10月26日、金候補の要請通り、食薬処はジェネンセルの臨床試験を承認した。その翌日から5営業日の間に、世宗メディカルの株価は半分になった。正体の分からない資金が入ってきて、高値で売り抜けた結果だった。それらの資金は3カ月の間に推算で180億ウォン(現在のレートで約21億円。以下同じ)を稼ぎ出したとみられている。
それで終わりではなかった。世宗メディカルに残る1000億ウォン(約115億円)ほどの現金性資産を食い荒らす第2の企業買収劇が続いた。無資本M&A(合併・買収)、債券の自転車操業など、企業ハンターたちが動員し得るあらゆる方法が総動員された。KOSDAQの暗い側面を総結集して示すものだった。
その結果、内視鏡で腹部手術を行う腹腔鏡分野で韓国トップ企業だった世宗メディカルは、抜け殻だけを残して株式売買が停止され、今年6月に上場廃止決定を受けた。5年で株価は高値から95%も暴落し、400ウォン(約46円)台となった。一時は将来を嘱望される医療機器メーカーだった世宗メディカルは、3万人を超える小口株主ばかりが取り残されて被害を受けることになった。法相としての資質を問わざるを得ない。
崔炯碩(チェ・ヒョンソク)記者