ウクライナのドローンが、ロシアとの国境から約3200キロ離れたロシアの中心的なガス施設を攻撃した。ウクライナ特殊作戦軍(SSO)は9日、「ロシアの北極圏にあるヤマロ・ネネツ自治管区のプロフスキー地区とノヴィ・ウレンゴイにあるガス処理施設を攻撃した」と発表した。これは2022年のロシアによるウクライナ侵攻以降、ロシア領土の最も深部を打撃したもので、ドローンは目標物に向けて3000キロ以上飛行したとされる。
【写真】ウクライナがロシア国境から3200キロ離れたガス施設をドローンで打撃する様子
ノヴィ・ウレンゴイはロシアの非公式な「ガスの首都」と呼ばれる。ロシア全体の天然ガスの80%がこの一帯で生産されている。ロシアのエネルギー企業ガスプロムは、2020年基準でこの地域のガス資源を26兆5000億立方メートルと推計した。世界のガス需要を6年以上賄える規模だ。年間1950万トンの原油と天然ガスを処理し、ロシアの軍需品であるディーゼル燃料なども生産している。ウクライナは「ロシアはこれまで、この場所について戦線から遠く離れた、完全に安全な地域と考えていた」と述べた。
ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は、今回の攻撃がロシア経済に与える被害に言及し、「ロシアに対し完全に公平な方法で対応し、敵がこれを体感できる方法で対応することが重要だ」と述べた。ドローンや弾道・巡航ミサイルを生産するウクライナの防衛産業企業「ファイアポイント」は、今回の攻撃に自社のドローンが使用されたとし、「誰が3300キロ以上飛んで目標物に命中させたか当ててみろ」とソーシャルメディアに投稿したりもした。
ウクライナはこの日、ロシア・クラスノダール地方の黒海の要衝であるノヴォロシスクも攻撃した。ゼレンスキー大統領は「ロシア海軍の基地を攻撃し、石油ターミナル、軍事港湾施設、巡航ミサイルを搭載した海軍艦艇などに被害を与えた」と主張した。黒海沿岸のソチでも、ウクライナの水上ドローンが海岸の堤防を攻撃して8人が負傷したと、ロシアのタス通信が報じた。
ロシアもドローンで反撃した。ウクライナ当局はこの日、ロシアのドローンがウクライナ南部オデッサ地方のウクライナ・モルドバ国境検問所を攻撃し、2人が死亡、3人が負傷したと発表した。ウクライナの首都キーウもロシアのドローン攻撃を受け、1人が死亡、14人が負傷した。キーウの至る所で火災が発生し、企業や学校が正常に運営できなかったと伝えられている。
一方、ノルウェーのヨーナス・ガール・ストーレ首相は前日、ノルウェー国王ハーラル5世の葬儀に出席しようとしたゼレンスキーの専用機が、モルドバ離陸中にドローンと衝突しかけたと明らかにした。これについてモルドバ政府は「ロシアのドローンがモルドバ領土に墜落した事実が確認された後、ゼレンスキー専用機の離陸を許可した」と述べた。ゼレンスキー大統領はオスロで開かれた葬儀に出席した後、ノルウェーの高官らと会談し、防空網支援を含む軍事支援の問題について協議した。