北朝鮮が2020年に開城の南北共同連絡事務所を爆破し、大韓民国に与えた財産被害およそ446億ウォン(現在のレートで約50億7700万円)を賠償するよう、裁判所が16日に判決を下した。
ソウル中央地方裁判所民事第46部(キム・ヒョンチョル裁判長)はこの日、大韓民国政府が朝鮮民主主義人民共和国を相手取って起こした損害賠償請求訴訟で、原告全面勝訴の判決を下した。裁判所は、北朝鮮が請求金額446億2641万722ウォン全額と利息を支払い、訴訟費用も負担するよう命じた。これは、韓国政府が北朝鮮当局を相手取って起こした初の訴訟であり、2023年6月に訴訟を提起してから3年3カ月たって結論が出た。
南北共同連絡事務所は、2018年の南北首脳による「4・27板門店宣言」に基づき、開城工業団地に開設された。南北が案件を協議するたびに別途会談場所や連絡経路を準備しなくてもいいようつくられた常設の拠点であり、南北の当局者が常駐して交流・協力業務を行っていた場所だ。
しかし北朝鮮は2020年6月16日、脱北者団体による北朝鮮向けビラの散布を問題視し、連絡事務所を一方的に爆破した。これに対し韓国政府は、連絡事務所の庁舎と隣接する開城工業団地総合支援センターが受けた被害を賠償するよう訴訟を起こした。
今回の裁判は、北朝鮮に訴訟書類を直接送ることが難しいため、公示送達形式で進められた。公示送達とは、裁判所が書類をホームページ等に掲示することで、相手方に送られたものと見なす手続きだ。北朝鮮は今回の裁判に一切応じなかったため、判決が確定したとしても、韓国政府が実際に賠償金や訴訟費用を受け取れる可能性は大きくない。
キム・ウンギョン記者