50代の「生涯未婚」【萬物相】

 十数年前の韓国の結婚市場では、こんな話が流行していた。学歴、財産、外見などを総合して男性と女性をA、B、C、D等級に分けるとしよう。結婚市場で一番不利なのは誰か。もちろん例外はあるだろうが、正解は女性のAと男性のDだ。女性は目を下げて結婚することが少なく、男性は大抵、自分より優れた相手が負担に感じられる。また、経済力も魅力も不足している男性が選ばれにくいという点は、追加の説明は必要ないだろう。

【Photo】40年で53回結婚した65歳サウジアラビア人男性アブー・アブドゥッラーさん(65)

 最近のトレンドは少し違う。能力のある年上の女性と優しい年下の男性のカップルが増えた。子どものことを恨みから自慢に変えた先輩がいる。フランス留学までさせた目に入れても痛くないほど可愛い末娘が高卒の男を連れてきた時、決死反対したのが5年前だった。ところが今は、会えば娘婿自慢だ。お金を稼ぐ才能はないが、それは自分が助ければいいし、この上なく優しくて献身的なので娘を「補佐」するというのだ。3人の娘の中でその家が一番豊かに暮らしているという話までした。

 しかし、こうした新しい風俗図も大勢を変えるほどではないらしい。韓国の50代の「生涯未婚」比率が10人に1人まで増えた、と本紙が報じた。分かりやすく言えば、その年齢まで結婚しなかったという話だ。国家データ処の統計を調べてみると、ソウルはさらに深刻で、40-50代の中年の未婚比率は5人に1人に達する。今の30代が50代になる20年後には、生涯未婚率が30%を超えるという見通しも出ている。

 40歳で未婚の女性がその後初めての結婚に成功する確率は、統計的に5%未満にすぎない。子供を望む男性たちが相手の年齢を主な条件に挙げるからだ。生物学的限界は医学の発展で一部補うとしても、さらに重い社会的な悩みは別にある。恋愛や結婚を望んでいるのに市場から何度も押し出されている男性たちの問題だ。性的な面では旺盛でも、いわゆる「魅力資本」が足りないせいで疎外される男性たちの不満や落胆は、女性たちとは違って暴力として現れるケースが少なくない。

 結婚後の生活が以前より良くないなら、なぜあえて結婚をするのか―というのが今の世代の冷静な算段だ。個人主義が定着した西欧の前例を思い起こせば、生涯未婚の増加を無条件に悲観的に見る必要はないだろう。問題は支援体制だ。韓国政府の支援が結婚・出産世帯にばかり集中しているせいで、単身世帯は事実上放置されている。高齢化と相まった50代未婚の急増は、遠くない将来、介護の空白と孤独死という社会的コストとして返ってくるだろう。国の温かい手は、既存の家族の枠を超え、一人で歩いていく中年の肩にも届かなければならない。

魚秀雄(オ・スウン)論説委員
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