韓国陸軍第5軍団所属のヘリコプターが今年3月23日、第1軍団の責任地域である京畿道漣川地域の山火事を消しに出動し、手違いで非武装地帯(DMZ)に入った事故。その背景には、韓国陸軍前方部隊全般の警戒態勢の緩みがあったことが20日までにわかった。陸軍にも所属ヘリの位置をリアルタイムで把握できるヘリ位置追跡システム(HAPS)があるが、関連部隊がすべてこれをまともに確認しておらず、レーダーで対空監視を行っていた空軍からの通報を受けて、ようやくDMZ進入の事実を知ったということだ。
【写真】韓国内外の防衛産業専門家1500人が訪れた試演会で墜落するKドローン
軍事境界線(MDL)の南北にそれぞれ2キロメートル幅で設定されたDMZは軍事緩衝地域であり、原則として軍用機が立ち入ることはできない。それにもかかわらず、このヘリはDMZ内に約7分間とどまっていたと伝えられている。韓国軍の消息筋は「北朝鮮軍が対空射撃などの挑発を敢行する口実になる可能性もあった状況だ」と述べた。
保守系最大野党「国民の力」の姜善栄(カン・ソンヨン)議員室や韓国軍消息筋などによると、陸軍本部は今月初め、この事件に関する責任を問い、前方軍団を総括指揮する陸軍地上作戦司令部に「注意」処分を、陸軍の航空作戦を統制する陸軍航空司令部には「通報」処分を下した。ヘリの追跡・統制の直接的な責任があった陸軍第1軍団と第5軍団は、7月に「警告」処分を受けた。これは、合同参謀本部(合参)戦備態勢検閲室が事故の経緯を調査し、陸軍側に機関処分を要求したことに伴うもの。
合参による調査の結果、関連する各級陸軍部隊のどこも陸軍ヘリのDMZ侵犯の事実を捕捉できていなかった。ヘリの操縦士は、本来の任務地点の山火事が消えていたため、肉眼で見える付近の山火事を消火しようとしてDMZに進入したという。この地域を管轄する第1軍団は、このヘリを山火事の消火に動員された民間ヘリと誤認した。ヘリの所属部隊である第5軍団、地上作戦司令部と陸軍航空司令部などは、ヘリの位置を確認していなかったと推定される。このため、空軍中央防空統制所(MCRC)からの連絡を受けて初めてDMZ侵犯を認識したという。姜議員は「味方の無断越線すら識別できなかった空中警戒作戦の失敗は、安全保障における致命的な脅威だ」とし、「韓国軍は今回の空中監視および警戒作戦の失敗を厳重に認識すべきだ」と述べた。