中国「技術流出防げ」…AI人材の家族も渡航制限

渡航前に当局の承認を得るよう定める

 中国が、人工知能(AI)と半導体分野の中核人材に対する海外渡航制限措置を家族にまで拡大したという。ブルームバーグ通信が28日、複数の消息筋の話を引用して報じた。自国の先端技術や情報、人材などが米国など海外に流出するのを防ぐため、強硬な措置に踏み切ったものと解釈される。

【グラフィック】世界首位に立った中国の先端技術企業

 報道によると、中国政府機関は最近、AI・半導体など先端技術分野の中核人物に対し、拡大された海外渡航制限措置の通知を始めた。国家安全保障に直結する業務を行うAI・半導体などの分野において、企業関係者の配偶者や子どもなど家族は、海外渡航の際に中国当局の事前承認を受けなければならない―という内容だ。通知対象には主要企業の経営陣だけでなく、スタートアップ創業者なども含まれた。今回の海外渡航事前承認措置の適用を受ける人物は、今後も追加が続く予定だ。今回の措置が全対象者の家族に一律に適用されるかどうかは、まだ不明だという。

 今回の措置は、中国が技術流出を防ぐため民間企業の中核人材などに適用してきた従来の方針を、家族のレベルにまで一段と強化したものだ。中国はすでに今年初めから、アリババ、ディープシークなど自国民間企業のAI専門家の海外渡航を制限してきた。15日からは、国家の産業・技術安全保障関連規定に違反する恐れがある場合、自国民の出国を制限できるようにした別途の出入国管理規定も施行した。これに先立ち、中国は数年前から主要大学の研究員、原子力分野の科学者、国有企業の役員・社員などの海外渡航を制限しており、その家族にも同程度の措置を適用してきたとされる。AIなどが米国と競争する中核産業として浮上する中、当局の措置が民間分野と家族単位にまで拡大したということだ。

 技術流出への懸念が現実化したことが今回の措置強化につながったとの分析も出ている。米企業メタは昨年12月、中国系AIスタートアップ「マヌス(Manus)」を20億ドル(現在のレートで約3150億円)で買収することを決めた。すると中国当局は、この取引が技術輸出関連規定に違反した可能性があるとして調査に着手し、4カ月後に買収不許可命令を出した。ただし、今回の措置がマヌス買収不許可命令の件と直接関連しているかは確認されていない。中国の海外渡航事前承認措置が長期化する場合、海外進出を望む中国のAIエンジニアなどは、キャリアの初期段階から中国に残るか海外に出るかを選ばなければならない状況に置かれかねない、とブルームバーグは伝えた。

イ・セヨン記者
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