現代自動車が29日、中国でソナタ級の電気自動車(EV)セダン「アイオニックV」を正式に発売した。中国企業が販売している同クラスの車より価格をさらに低く設定し、市場攻略を図る戦略を打ち出した点が目を引く。こうしたコストパフォーマンス戦略は、韓国など海外における中国車の核心的なキーワードだったが、EVに限っては現代自動車も中国車の優れた競争力を認め、「挑戦者」の姿勢で臨む意思を反映したものだ。
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アイオニックVは、今年4月の北京モーターショーで初公開された中国専用の電気セダンだ。中国に別途導入したアイオニック・ブランド初の量産車でもある。全長4900ミリ、ホイールベース2900ミリで、ソナタと同程度の大きさだ。中国の電池メーカーCATLのリン酸鉄リチウム(LFP)電池を搭載し、中国基準で1回100%充電すれば最大650キロ走行できる。価格は11万9900人民元(現在のレートで約281万円、以下同じ)から。
競合車種の一つに挙げられる長安汽車のディーパルL07は14万5900人民元(約342万円)で、アイオニックVより2万6000人民元(約61万円)高い。高級車を志向するジーカー(极氪)の中型電気セダン「007」も20万2900人民元(約476万円)から販売されており、アイオニックVより約8万3000人民元(約194万円)高い。
現地化の水準を高めることで価格を下げることができた。現代自動車は北京汽車と共同開発したプラットフォームを使い、CATLの電池を載せた。生産も中国・北京工場で行う。運転支援技術は、150億キロ以上の走行データを持つ中国のモメンタ(北京初速度科技)と共同で開発した。ドライバーが前方を注視していれば、高速道路でハンドルから手を離して走行できる「レベル2+」機能も備えた。
2002年に中国に進出した現代自動車は、一時は年間100万台を超える車を販売して好調だったが、2017年のTHAAD(高高度防衛ミサイル)問題以降、販売が大きく落ち込んだ。現地のEV企業が急成長する中、競争力のある新車を適時に投入できず、現地工場5カ所のうち2カ所を売却する苦境も経験した。現代自動車はアイオニックVを皮切りに、2030年までに中国で新車20種を投入し、北京現代の販売台数を年50万台に増やすことを目標としている。