わずか数時間前に心肺蘇生法の教育を受けた高校生が、バス内で倒れた乗客に遭遇し、すぐに心肺蘇生を行って命を救っていたことが後から分かった。
【写真】市内バス内で倒れた乗客に心肺蘇生をしているミョン・ウソク君
16日午後5時ごろ、慶尚南道統営市の鎮南小学校付近を走っていた100番市内バスの車内。学校を終えて帰宅していた巨済工業高校2年のミョン・ウソク君(17)は、降車しようと立ち上がった際、前の座席の乗客に目が留まった。男性が首を後ろに反らせたまま座っていたのだ。最初は居眠りをしていると思ったが、男性の体は崩れるように曲がり、呼吸も荒くなるなど、誰が見ても緊急の状態だった。
ミョン君は乗客が意識を失ったのを見て、すぐにバス運転手に大声で緊急事態を知らせた。バスを路肩に止めた運転手は、乗客を抱えて車内中央の床に寝かせた。
するとミョン君はためらうことなく、乗客の胸に両手を重ねて置き、圧迫を始めた。わずか数時間前に学校で心肺蘇生の実習を受けていたことが役立った。
ミョン君が約1分間胸を圧迫すると、止まっていた乗客の呼吸が一時戻ったという。しかし、間もなく再び呼吸が止まり、その間に通報を受けて到着した119救急隊員が引き継いだ。救急隊員が心肺蘇生と自動体外式除細動器を使用した末、乗客の脈が戻った。119はこの乗客を近くの大学病院に緊急搬送したという。この状況はバス車内の監視カメラにそのまま記録されていた。
当時倒れた乗客は手術を受け、回復中だと伝えられている。119救急隊員は「心停止患者は初期処置が生死はもちろん、脳損傷の有無を左右する」として、ミョン君の初動措置を称賛した。
ミョン君の夢は、航空機や戦闘機を造るエンジニアになることだ。現在、学校で関連分野を学んでいる。ミョン君は「緊急事態に置かれた誰かが自分の家族かもしれないと思った」とし、「多くの人が心肺蘇生法を身に付け、実際に緊急事態が起きた時にためらわず手を差し伸べられるようになってほしい」と話した。