子の入試不正疑惑などにより大法院(最高裁判所)で有罪が確定し、現在服役中の祖国革新党前代表・曺国(チョ・グク)受刑者が、ソウル大学教授職解任処分を不服として韓国教育部(省に相当)を相手取り起こした訴訟を取り下げた。このため、ソウル大学の解任処分が確定した。
曺国受刑者の代理人を務める田宗旻(チョン・ジョンミン)弁護士は16日、「裁判所に係留中だったソウル大教授解任処分取り消し訴訟を今日、取り下げた」「曺国前代表は『解任処分は不当だ』という見解を持っているが、どのみち戻るつもりがない教授職に執着しないことを明確にするために取り下げた」と説明した。
ソウル大学は2023年、法学専門大学院教授だった曺国受刑者が子の入試不正や青瓦台(大統領府)監察揉み消しなどにより一審で懲役2年を言い渡されると、教授職の罷免を議決した。曺国受刑者は「懲戒処分は不当だ」として、教育部に教員訴請審査を提起し、教育部は懲戒処分の程度を一段階引き下げて「解任」と最終決定した。ところが、曺国受刑者はこれも不服として昨年4月、教育部教員訴請審査委員会を相手取り行政訴訟を起こした。この訴訟は今月26日に初弁論を控えていた。
これについて、「李在明(イ・ジェミョン)政権発足後、祖国革新党が掲げている『赦免論』を意識して戦略的に低姿勢になったのでは」という見方も法曹界にはある。法曹界のある人物は「懲戒規定に違反しているのは明らかで、行政訴訟で覆すのは難しいと思われる」「赦免を期待している状況で勝算のない訴訟を継続するより、謙虚な姿勢を見せた方が良いと判断したのではないか」と語った。
キム・ウンギョン記者