サムスンバイオロジクスが保有している企業秘密を無断で漏えいしたとして、元社員(46)が産業技術保護法違反の罪で起訴された事件で、一審の仁川地裁は11日、元社員に懲役3年の実刑判決を下した。半導体、ディスプレー、造船などに続き、バイオ分野でも技術漏えいの罪が認定されたことになる。
同地裁は「窃取した資料には生命工学分野の国家重要技術が含まれており、実刑は避けられない」と判決の理由を説明した。
元社員は2022年12月13日午後7時ごろに、仁川市延寿区のサムスンバイオロジクス本社からA4用紙で約300枚の内部文書を服に隠して退勤しようとしたところを警備員に発見された。規制機関への対応文書など企業秘密38件が含まれていたことが判明した。
調べによると、元社員は22年12月初めから会社の標準作業手順書(SOP)など企業秘密175件を社外に持ち出していた。A4用紙で約3700枚の分量だ。元社員は土日に出勤し、自身のオフィスではなく会議室などで内部文書を印刷していたという。
元社員が漏えいした資料には、情報技術標準作業手順書(ITSOP)と規制機関ガイドライン分析資料など2件の国家重要技術が含まれていた。同社関係者は「ITSOPと規制機関ガイドライン分析資料は産業通商資源部が23年に指定したバイオ医薬品分野の8大重要技術に該当する」と話した。特にITSOPは医薬品を大量生産するための標準化技術を含む資料だという。
元社員は社内で品質保証と規制対応業務を担当していた。法廷では「新しい業務に慣れるために文書を出力した」と主張したという。
仁川=イ・ヒョンジュン記者、パク・チミン記者