「お客様、代わりに試験を受けますので、ご心配いりません。成績表が届くのをお待ちください」
ブローカーは自信満々だった。彼が提示した金額は180万ウォン(約19万円)。韓国にいる外国人が韓国の大学入学や永住権獲得・国籍変更などをするのに必要な韓国語能力試験(TOPIK)を替え玉受験する対価だ。本紙記者が5日、「TOPIK代理受験」というワードで宣伝している匿名のメッセージ・アプリのチャットルームに入ると、「希望するレベルで100%合格させる」「お客様は試験会場に行く必要もない」と言われた。ばれたらどうするのかと聞いたら、「6年間以上『代理受験業』をしてきたが、一度も捕まっていない」という返信があった。
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韓国に居住する外国人が増えるにつれて、外国人の韓国語使用能力を評価する試験であるTOPIKの「代理試験業者」がはびこるようになった。昨年の韓国在留外国人数は約265万人で、韓国の人口の5.2%に当たる。この10年間で1.5倍増加した。TOPIK受験者は2020年の21万8869人から昨年は49万2498人になり、4年間で2倍以上も増えている。韓国に定着した外国人の増加もあるが、韓流ブームで韓国語を学ぼうとする外国人が増えているためだ。ところが、替え玉受験などの不正行為摘発件数も2020年の182件から昨年は414件へと急増した。韓国語の実力が十分でないのにもかかわらず、永住権取得や就職をしようとする外国人が増えるや、違法業者も雨後のタケノコこのように増え、すきを狙っているものとみられている。
替え玉受験ブローカーらは「テレグラム」「X(旧・ツイッター)」「百度(バイドゥ)」などの交流サイト(SNS)を通じ、「(TOPIK)代理試験専門業者」「試験受付後も24時間相談可能」といった文言を掲げ、外国人受験生を引き入れている。ある業者は中国語で「TOPIK操作、代理試験を運営している」と言った。本紙記者がこの業者に韓国のメッセージ・アプリ「カカオトーク」で替え玉受験を問い合わせると、ブローカーは1分で「安全に処理してさしあげます」と返信してきた。
本紙取材チームがTOPIK替え玉受験ブローカー30人に問い合わせたところ、替え玉受験の費用は100万-250万ウォン程度だった。費用は顧客が希望するレベルによって違う。TOPIKは1級から6級までに分かれていて、数字が大きくなるほどレベルが高く、韓国語ができるという意味になる。初級レベルの1・2級は150万ウォン、3・4級は180万ウォン、最も高いレベルである5・6級は200万-250万ウォンだった。あるブローカーは「急に成績が上がると疑われることがあるので、2・3級程度をお勧めする」と耳打ちした。