珍島郡「実際に体験してもらうという趣旨の企画」

文成赫(ムン・ソンヒョク)海洋水産部長官「恥ずかしいことで遺憾」

 全羅南道珍島郡が海洋廃棄物問題への注目を集めるため、海岸にごみを意図的に置いてイベントを行っていたことが分かり波紋が広がっている。

 珍島郡が24日に明らかにしたところによると、今月20日午後1時から5時まで、珍島郡古郡面の嘉界海水浴場で「第19回国際沿岸浄化の日」のイベントが開催された。イベントには海洋水産部(省に相当)の文成赫(ムン・ソンヒョク)長官、全羅南道副知事、海洋環境公団、水協、漁業関係者、学生など600人以上が参加した。参加者たちは海岸のごみを2時間かけて片付けた。

 しかしこのごみは珍島郡が事前に準備したものだったことが後から分かった。珍島郡がイベントを盛り上げるため、前日に周辺の海岸からプラスチックなどのごみ1トンを拾って集めておいたのだ。住民の間からは「浄化の日のイベント前日にトラックがごみを海辺に置いていった」「美しい海辺にごみが多いように見せかけるのは常識的に考えて納得がいかない」など不満の声が上がっている。

 珍島郡はごみを持ち込んだ事実を認めた上で「日々深刻化する海洋廃棄物問題を国民に知ってもらうため、プラスチックごみなどを活用した」「当日のイベント参加者たちに実際に体験してもらうという趣旨で、事前に企画されたプログラムだった」と説明した。珍島郡は今年、昨年の2倍以上のごみを回収し、海洋水産部から「海洋廃棄物管理最優秀自治体」に選ばれていた。

 文長官はフェイスブックに「イベント前に珍島郡がごみを海岸に置くという恥ずかしいことを行っていたことは非常に遺憾だ」「海洋廃棄物問題の深刻さを伝えるという意図があったとしても、そこにうそや誇張が加われば、イベントの趣旨そのものから外れ、不信と失望を招くという教訓をいま一度思い知らされた」と書き込んだ。

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