▲現役軍人として東京オリンピック男子走り高跳びで韓国新となる2メートル35を記録し4位に入った禹相赫(ウ・サンヒョク)選手。写真は2日、オリンピック選手村で行った記者会見で「忠誠」と叫びながら敬礼する禹相赫選手。
「禹相赫(ウ・サンヒョク)選手に銅メダル獲得と同じ恵沢を与えてください」。今月3日に青瓦台(韓国大統領府)掲示板にこのようなタイトルの書き込みがアップされた。東京オリンピック陸上男子走り高跳びに出場した禹相赫(ウ・サンヒョク)選手(25)は24年ぶりとなる韓国新記録(2メートル35センチ)で世界4位に入った。陸上競技不毛の地である韓国としては異例の成果だ。競技終了後に堂々と敬礼をする姿も称賛を受..
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▲現役軍人として東京オリンピック男子走り高跳びで韓国新となる2メートル35を記録し4位に入った禹相赫(ウ・サンヒョク)選手。写真は2日、オリンピック選手村で行った記者会見で「忠誠」と叫びながら敬礼する禹相赫選手。
「禹相赫(ウ・サンヒョク)選手に銅メダル獲得と同じ恵沢を与えてください」。今月3日に青瓦台(韓国大統領府)掲示板にこのようなタイトルの書き込みがアップされた。東京オリンピック陸上男子走り高跳びに出場した禹相赫(ウ・サンヒョク)選手(25)は24年ぶりとなる韓国新記録(2メートル35センチ)で世界4位に入った。陸上競技不毛の地である韓国としては異例の成果だ。競技終了後に堂々と敬礼をする姿も称賛を受けた。しかし韓国における兵役特例基準は「オリンピックでのメダル入賞」となっているため、これを禹相赫選手にも与えることを求める請願がアップされたのだ。
今月6日には請願掲示板に「野球で銅メダルを獲得した場合でも兵役免除の資格をはく奪せよ」という内容の請願が2件同時にアップされた。オリンピック野球の3位決定戦前日だった。今回のオリンピック野球にはオーストラリアや台湾などの強豪がコロナを理由に参加を見合わせたため、3位以上の入賞は過去の大会ほど難しくなかった上に、「韓国代表は真剣に試合に臨んでいないようだ」といったファンからの批判が相次いだためだ。最終的に韓国代表は3位決定戦でも敗れメダル獲得に失敗した。
8日に幕を閉じた東京オリンピックをきっかけに、スポーツ選手に与えられる「兵役特例制度」が今回改めて注目を集めている。現行の兵役法施行令によると、オリンピックで3位以上あるいはアジア大会で1位となった場合は「体育要員」として代替服務の恩恵が与えられる。1973年に「国威宣揚および文化暢達に寄与した芸術・体育特技者」を待遇するという趣旨で導入された制度だ。
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ところが今回のオリンピックでは水泳、陸上、近代五種など韓国が苦手としてきた種目で韓国新記録を出すなど優秀な結果を残した選手が多かったため、「恵沢基準が不合理」という声が相次いでいるのだ。アーチェリーや野球など、伝統的に韓国が得意とする種目やメダル獲得の可能性という観点とは異なるが、「無条件の『メダル至上主義』にこだわることは不合理」という意味合いのようだ。インターネットの掲示板でも「男子3メートル板飛び込みで4位に入ったウ・ハラム選手や、水泳の男子自由形100メートルで5位に入った黄宣優(ファン・ソンウ)選手にも結果に見合った恩恵を与えるべきだ」などの意見が相次いだ。メダルを獲得できなかった選手たちは特別な選抜試験を経て国軍体育部隊(尚武)に入隊するか、それにも脱落した場合は一般人と同じく徴兵に行かねばならない。
過去50年で韓国の国際的地位が高まり、国民の価値観も変わったことで「メダルの獲得イコール国威宣揚」という認識が変わったことも影響している。とりわけ今回のオリンピックではメダルは取れなくとも、それにチャレンジするため最善を尽くし、さらに潔く結果を受け入れる選手たちに熱狂する雰囲気も形成された。西江大学スポーツ心理学科のチョン・ヨンチョル教授は「メダルによって兵役特例を与える1970年代式の動機誘発のやり方は時代錯誤だ」とした上で「選手たちも国家より個人としての達成感を優先しており、国民も順位ではなく素晴らしい競技力を重視するなど、『国威宣揚』という概念が弱くなっている。そのため兵役特例の制度も再検討が必要だろう」と指摘した。
キム・ヨンジュン記者
朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
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