▲写真=UTOIMAGE
今年のミス・フィンランドで優勝した女性がアジア人を差別するジェスチャーを見せて王冠を剥奪されたことに関連し、フィンランドの与党議員らがこの女性の行動を擁護し、集団で「つり目」の写真を投稿した。
【写真】かつて白人社会で「欧州に住むモンゴル人」と差別されていたフィンランド人たちによる「つり目」ポーズ投稿リレー
発端は、2025年ミス・フィンランド優勝者のサラ・ザフチェさんの投稿だった。ザフチェさんは..
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▲写真=UTOIMAGE
今年のミス・フィンランドで優勝した女性がアジア人を差別するジェスチャーを見せて王冠を剥奪されたことに関連し、フィンランドの与党議員らがこの女性の行動を擁護し、集団で「つり目」の写真を投稿した。
【写真】かつて白人社会で「欧州に住むモンゴル人」と差別されていたフィンランド人たちによる「つり目」ポーズ投稿リレー
発端は、2025年ミス・フィンランド優勝者のサラ・ザフチェさんの投稿だった。ザフチェさんは先月末、両手で目の縁を引っ張ってつり上げる「つり目」ポーズの写真に「中国人と食事中」とつづってSNS(交流サイト)に投稿した。「つり目(Slant-eye)」は西欧ではアジア人を差別する代表的なジェスチャーだ。この写真に非難が殺到すると、ミス・フィンランド組織委員会は11日、「いかなる形の差別も容認しない」としてザフチェさんの優勝資格を剥奪した。
ところが問題はその後のフィンランド政治家らの対応だった。ユホ・エーロラ議員、セバスティアン・テュンッキュネン欧州議会議員らは、これ見よがしに自身の目を引っ張って「つり目」の写真や動画をSNSにアップし「王冠剥奪という処罰は行き過ぎだ」としてザフチェさんを擁護した。「真のフィンランド人党(フィン人党)」のヤニ・マケル院内代表まで加勢し「同僚議員らはこれを批判する権利がある。全面的に彼らを支持する」と表明した。
フィンランド政府の対応にも批判が集まっている。フィンランドの人権大使は、X(旧ツイッター)で「この事態をどう考えているのか」と尋ねてきた日本人に対し、この日本人のアカウントをブロックした。かつてブログで人種差別的な文章を掲載して物議を醸していたリーッカ・プッラ財務相(フィン人党代表)も沈黙した。日本の朝日新聞は14日「フィンランドに住む日本人男性がアジア人差別の改善を求めるオンライン署名を開始し、4000人以上が賛同した」と報じた。アンデルス・アドラークロイツ教育相はようやく「議員たちの行動は無責任で幼稚だ」と批判した。
騒動の中心となったフィン人党は、フィンランド語で「フィンランド人のための党」とを意味する極右系ポピュリズム政党だ。反移民、反難民のスローガンを掲げて急成長し、今年4月の総選挙では第2党へと躍進した。当時第1党だった中道右派政党の国民連合(NCP)と過半数議席を確保するために連携し、フィン人党は連立政権の主軸となった。フィンランドのペッテリ・オルポ首相は、議員らによる人種差別が相次いだにもかかわらず、連立崩壊を懸念して厳しい懲戒処分を下せずにおり、現地メディアには「顔色をうかがうことに必死だ」と評されている。
海外のネットユーザーらは、フィンランドがかつて「フィンゴリア」と呼ばれていたことに言及した。フィンゴリアとは、フィンランドとモンゴル(Mongolia)の合成語だ。19-20世紀の西欧の人種学者たちが、フィンランド人の顔つき(頬骨の高さなど)を理由に、フィンランド人を「欧州に住むモンゴル人」と呼んで白人社会における2等市民扱いしたという歴史がある。ネットでは「かつては西欧の白人から差別されていたフィンランド人が、今やアジア人を見下している」として「議員らが投稿したつり目ポーズの写真はモンゴルの祖先を意識したものなのか」という意見も見られた。
アン・ジュンヒョン記者
チョソン・ドットコム/朝鮮日報日本語版
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