「日本のおかげ」広報動画は植民地近代化論と同じ発想

日本の借款は一種の賠償金、純粋な援助とは見なせず
通貨危機時に韓国の苦境を無視、欧米より大規模に資金回収
西欧よりも暴圧的な植民地支配、資源・食糧収奪に徴兵まで

 日本は「経済協力」を強調するが、97年のアジア通貨危機のときには韓国の経済的苦境を無視した。当時、財政経済院の次官だった姜万洙(カン・マンス)元企画財政部(省に相当)長官は1月に出版した著書『現場で見た経済危機対応実録』で「通貨危機の際、日本による資金の引き揚げはとても大規模で素早く、耐え切れなかった」と語っている。姜氏によると、97年、韓国の銀行が外国の金融機関から借りていた短期借入金のうち、半分以上の375億ドルが引き揚げられた。中でも、最大の借入先だった日本が短期借入金(218億ドル)の60%に当たる130億ドルを回収した。欧州が173億ドルのうち45%に当たる76億ドル、米国が56億ドルのうち38%に当たる21億ドルを回収したのに比べ、はるかに規模が大きく、回収スピードも速かった。

■植民地時代の収奪のせいで独立直後は最貧国に

 日本による植民地からの収奪は資源や食糧にとどまらず、徴兵や徴用といった人的資源の蹂躙(じゅうりん)にまで及び、独立直後の韓国経済を最悪の状態に追い込んだ。だが、日本の一部の右翼は植民地時代の食糧増産、工業投資、教育拡大などが韓国の経済発展の基礎を固めたというあきれた主張を振りかざしている。忠南大のホ・スヨル教授の研究によると、植民地から解放された直後、日本の工業資産のうち韓国側にあったのは全体の25%にすぎず、それさえも解放後の混乱と6・25戦争(朝鮮戦争)の最中に大半が破壊された。

 また、日本人による大規模な田畑の所有と米穀(コメなど)収奪で、農業従事者1人当たりの農産物収穫量は植民地支配の期間にむしろ3-15%減少した。植民地時代末期、韓国人の小学校初等科への進学は増えたが、中卒以上の学歴を持つ人は1%にすぎなかった。日本による植民地支配は民族抹殺政策、過酷な収奪など、西欧列強に比べはるかに暴圧的だった。

李陳錫(イ・ジンソク)記者
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