【コラム】隣国をおとしめ自分の首を絞めた朴槿恵外交

「予告された失敗」を繰り返しただけ
2012年末に日韓両国で新政権発足、隣国をおとしめるための外交消耗戦始まる
結局は自分の首を絞めることに
この対立を最小限に抑えるべき外交すら閉ざしてしまったのが最大の失策

 韓国外交部(省に相当)の尹炳世(ユン・ビョンセ)長官が10日前、ドイツを訪れた。今年に入って2度目のドイツ訪問だ。ドイツの外相と会談した翌日、尹長官はクロアチアを公式訪問した。韓国の外相がクロアチアを訪れるのは、1992年に両国が国交を樹立して以来初めて。続いて尹長官は米国に向かった。ワシントンDCで韓米原子力協定に署名するというのが、米国訪問の理由だった。しかし尹長官はワシントンに直行せず、あえて1日時間をつくり、先にニューヨークを訪れた。ここに滞在しているマレーシアの外相と会うためだった。

 実際、韓国とドイツの間には、4カ月で2度も訪問せねばならないほど緊急の懸案はない。クロアチアやマレーシアも同様だ。尹長官が3日間で3カ国を回り、3カ国の外相と会うという異例のスケジュールを組んだのは、今月28日からドイツのボンで開かれるユネスコ(国連教育科学文化機関)世界遺産委員会(WHC)のせいだった。ドイツは、21カ国からなるWHCの委員長を務めており、クロアチアとマレーシアは委員国だ。この会議で、日本の近代化遺産23施設を世界遺産に登録するかどうかが決まる。23施設のうち7施設は、約5万8000人の韓国人が連行され、強制労働に従事した場所だ。

 日本は、これらの施設について「1850-1910年」という対象期間を指定することによって、世界遺産の申請を行った。現在ユネスコには1007の世界遺産(産業施設は59)が登録されているが、今回のように特定の期間を指定して世界遺産の申請を行ったケースは初めてだという。こういうやり方で、韓国人強制動員の事実を隠せると考えていたらしい。23施設のうち、最もよく知られている場所が「端島」だ。長崎市から18キロ離れた場所にあるこの島は、100年前、日本初の鉄筋コンクリート製アパートが65棟も建つ主要な石炭の生産地だった。今では人が去り、古い建物しか残っていない。この不気味で珍しい姿のため、『007 スカイフォール』のようなハリウッド映画のロケハン地としても使われた。しかし、ここに連行された韓国人にとっては、生きて出られない地獄の島だった。

朴斗植(パク・トゥシク)論説委員
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