【コラム】隣国をおとしめ自分の首を絞めた朴槿恵外交

「予告された失敗」を繰り返しただけ
2012年末に日韓両国で新政権発足、隣国をおとしめるための外交消耗戦始まる
結局は自分の首を絞めることに
この対立を最小限に抑えるべき外交すら閉ざしてしまったのが最大の失策

 このような歴史を隠したまま、この施設を「日本・アジアの近代化の象徴」としてのみ見ようとするのは、また別な次元の歴史歪曲(わいきょく)だ。最終的に尹長官が、自らこの施設の遺産登録を阻止しようと乗り出した。韓国・日本ほどの国際的地位や経済規模を有する国が、世界遺産登録をめぐって正面衝突したケースはないという。外交のトップがこうした戦いに加わる例もほとんどない。2012年末に韓国で朴槿恵(パク・クンヘ)政権、日本で安倍政権が発足した後、韓日の間からはこのように外交が姿を消し、隣国をおとしめようとする戦いばかりが繰り返されてきた。日本は、韓国唯一の同盟国たる米国に向かって「韓国は中国寄り」と吹いて回った。米国のあちこちに慰安婦被害者の少女像が立てられ、韓国政府も国際社会を回って日本の歴史歪曲と不道徳性を声高に叫んだ。

 しかし、外交に「タダ」はない。ある国を説得して自分の側に引き寄せたいのなら、それだけの代価を支払わなければならない。韓国と日本は過去2年余りにわたり、相手を窮地へ追い込もうとして外交資源を使い尽くした。結局は自分の首を絞めることになるにもかかわらず、韓日はこの道を突っ走った。

朴斗植(パク・トゥシク)論説委員
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