【コラム】韓国の天才は医学部へ、中国の天才は工学部へ

 半導体設計分野の権威、イ・ジョンホ・ソウル大学教授は「半導体分野の回路・素子関連で最高の権威を持つジャーナル(専門誌)やカンファレンス(会議)では、北京大学や清華大学の学者の方がソウル大学の学者よりもはるかに多くの論文を発表している」と言った。

 「中国の優秀な学生はほとんど工学部に行く。人口14億人の中から選ばれ、北京大学や清華大学など9つの名門大学に進学する学生だけで約2万7000人に上る。韓国では人口5000万人のうち上位約3000人の学生はほとんどが医学部に進む。こうした優秀な学生を除いて、ソウル大学工学部に入った約1000人が、中国の約2万7000人と競い合えるだろうか」(ソウル大学電気情報工学部ソル・スンギ教授)

 医学部に進んだ人材3000人が医療・医学関連産業を起こすなら話は別だが、病院などの医療産業化は規制に遮られ、身動きできないでいる。その結果、「優秀な人材はみな医学部に行って病院にいるが、全く創造的でない仕事に没頭している」(ソウル大学化学生物工学部ヒョン・テクファン教授)という嘆きも聞こえてくる。

 ヨーロッパの歴史を振り返ると、フランスが産業革命で出遅れ、貧しい農業国だったスイスが製造業大国で生まれ変わったのは、手先の器用なユグノー(Huguenot=カルヴァン派のプロテスタント教徒)の技術者たちが移住したためだった。フランスの宗教迫害を避けて、ジュネーブなどに来たユグノーの職人たちがスイスの時計産業を起こした。産業競争力の要は結局、人だ。核心技術を身に着けた人材の養成と技術上の優位性確保に韓国経済の死活が懸かっている。ソウル大学工学部の教授たちの診断によると、中国大陸の天才たちの追撃を避けられる時間はせいぜいあと5年ほどだとのことだ。

経済部=金洪秀(キム・ホンス)次長
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