全盛期の53万人から今や8万人に、弱体化する朝鮮総連

【特集】骨と皮だけの朝鮮総連(上)
1990年代半ばから急速に衰退
韓国の発展や金総書記の拉致認定で組織離れが加速
日本政府の厳しい独自制裁で一段と弱体化の見通し

 だが、バブル崩壊に不正腐敗も重なり事業が失敗し、総連に資金を供給していた朝銀信用組合も破綻した。朝銀は1952年、在日朝鮮人が差別を乗り越えて生き残ろうと、資金を出し合って設立した金融機関だ。一時は預金総額が2兆5000億円に迫り、日本国内に38組合が置かれていたが、97年の朝銀大阪信用組合を皮切りに2001年にかけドミノ式に破綻した。

 総連系機関誌の記者として活動し、幻滅を感じて組織を離れた金賛汀(キム・チャンジョン)氏(79)は「朝鮮総連は在日同胞の権利を守る団体としてスタートしたが、今や同胞に必要のない組織、なくなるべき組織になった」と述べている。

■朝鮮総連とは

 1955年に結成された。日本の敗戦後、日本国内に残った朝鮮人60万人のうち、一時は50万人以上が加入している、または影響下にあった。同胞同士で助け合って生きるという旗印の下に結集し、信用組合や学校、病院も設立した。だが、歳月がたつにつれ組織の暗部が露呈。スパイ事件から北朝鮮産マツタケの密輸事件まで、さまざまな事件が波紋を呼んだ。韓日の情報当局は、日本人拉致にも朝鮮総連の執行部が直接的または間接的に介入したとみている。

東京=金秀恵(キム・スヘ)特派員
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