性的暴力:「友人と旅行に行くな」 韓国教育部の性教育に批判続出

韓国教育部の性教育標準案
「性的暴力に会わないためには、友人同士で旅行に行くな」

 だが、現場の教師たちや、青少年向け性教育の専門家たちは「改訂案にも依然、現実にそぐわない部分がかなり含まれている」と指摘した。中学校の教師用指導案の220ページには、満員の地下鉄で性犯罪の被害に遭った場合「かばんのひもを後ろに長くする」「わざと(加害者の)足の甲を踏む」といった対処法が紹介されている。「幸せな性的文化センター」のペ・ジョンウォン所長は「周囲の人に助けを求めたり、すぐに警察に通報したりするよう教えるのが適切な対処法だ。本当にこのような指導をしていては、授業に集中しなくなるだけだ」と指摘した。

 高校用指導案の233ページには「デートするときに注意すべき相手の言葉」として「酔い覚ましを兼ねて個室ビデオ店で休もう。変なことはしないから」という表現が登場する。匿名を条件に取材に応じた高校の保健担当教諭Bさんは「これでは高校生がデートするとき酒を飲んでもいいということになる。これは成人向けに指導する内容で会って、高校生に教えるものではないと思う」と話した。

 高校用の指導書に登場する「出産と親になる準備」の項目は、女性団体から「性差別だ」と指摘を受けている。この指導書には「母親は適度の運動とバランスの取れた食事を心がけ、父親は禁煙・禁酒に努め、子どもの養育や教育について計画を立てる」と記載されている。韓国青少年性文化センター協議会のイ・ミョンファ常任代表は「出産において、女性は身体を提供する役割を担うだけだという偏見を植え付けかねない」と指摘した。

 教育部は、現在の性教育標準案を基に、来年から幼稚園児を対象とする新たな標準資料を作成すると予告している。これに対し現場の教師や性教育専門家たちは「幼稚園児を対象にした資料を作成するよりも、現行の資料の問題点の修正、補完を行うのが先だ」と指摘した。これに対し教育部は「各界の意見を聞き、問題のある部分は直していく」と話した。

イ・テドン記者 , ソン・ホヨン記者
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