【コラム】オバマ氏広島訪問、米日の政治ショーを見守る韓国人慰霊碑

韓国人犠牲者の嘆きと祖国への怒り
「韓国は広島に投下された原爆問題において部外者ではない」
「100年前に世界の動きを読み違えて国を失ったのに、今もこのざまか」

 米国はその国内事情においてかつてのような余裕はもうない。大統領選挙では暴言王トランプ氏の勢いが今も衰えていないが、これは米国における真実の一部を反映している。中国は今や「光を隠して時を待つ『韜光養晦』(とうこうようかい)」は捨てた。日本国民は中国を侵略した過去故に、中国の脅威を切実に感じている。これらいくつもの事情が重なり合うことで、日本では安倍長期政権が現実となりつつある。

 あまりにも自明な事実は簡単に忘れ去られる。米国、中国、日本、ロシアに囲まれた韓半島(朝鮮半島)の地政学的位置がまさにそれだ。米国、中国、日本は世界第1、第2、第3の経済・軍事大国であり、かつての勢いが失われたとはいえ、ロシアも世界第4位の軍事大国だ。韓半島以外に世界でこのような国に囲まれた国や地域はない。あえて比較するとすればイスラエルだろうか。この韓半島が抱える事情は亡国の悲運に苦しんだ100年前と何も変わっていない。しかも韓半島の北半分にはすでにさびついた感のある北朝鮮が、核兵器とミサイルを使った危険な火遊びを今も続けている。

 大韓民国では年寄りも韓半島の地政学的位置について語ることはない。そのようなことを口にして「ぼけた」と言われたくないからだ。多くの知識を持つはずの知識人も、また愚かな政治家たちもこの点では全く同じだ。「地政学」という言葉を使うこと自体が「時代遅れの人間である証拠」とみなされるからだ。選挙の票に左右される政党も事情は変わらない。軽々しいことを言えば「安全保障商業主義」「政略的安全保障」などと攻撃され、票を失ってしまうのが恐ろしい。最近は「韓半島の地政学的位置」という言葉を聞いたことさえない若者も多い。

カン・チャンソク論説顧問
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