【コラム】オバマ氏広島訪問、米日の政治ショーを見守る韓国人慰霊碑

韓国人犠牲者の嘆きと祖国への怒り
「韓国は広島に投下された原爆問題において部外者ではない」
「100年前に世界の動きを読み違えて国を失ったのに、今もこのざまか」

 このような時代の流れに押され、世界の中で大韓民国が置かれた事情や立場を読み取る目は完全に退化してしまった。外交・安全保障・国防・経済・福祉・教育など全ての分野において、ひどい近視の人間が眼鏡を失った時のように、手探りで道に迷い、時を逃してさまよっている。今回の「広島事態」は原子爆弾を落とした国と落とされた国、そして宣戦布告なしに奇襲攻撃を行った国と奇襲を受けた国による政治ショーだ。韓国はそのステージのすぐ下で質問のために手を上げ「オバマ大統領が広島を訪問し、追悼する犠牲者の中に韓国人も含まれますか」と尋ねることしかできない立場になってしまった。世界情勢を読み取る目が衰えれば、世界における変化のスピードを読み取り、それについて行くのに必要な時間感覚もマヒしてしまうのだ。

 韓国は広島における平和ショーの部外者ではない。広島における原爆の犠牲者16万人のうち3万人は強制徴用され、あるいは飢えから逃れるため玄界灘を渡った当時の朝鮮人だった。長崎における原爆犠牲者も7万人のうち1万人が朝鮮人だ。安倍首相はこの事実を知っているし、オバマ大統領も知らないはずがない。広島平和公園の片隅に建つ「韓国人原爆犠牲者慰霊碑」は27日に行われる米日の合同平和ショーの舞台を見守ることだろう。1970年に広島平和公園の向かい側に建てられたこの慰霊碑が、平和公園の中に移されるまで29年もの時間がかかった。

 慰霊碑はオバマ大統領と安倍首相の姿を見守ると同時に、祖国に対しても恨みに満ちた叱責の言葉を投げかけるだろう。それは「100年前に世界の動きを読み違えて国を失ったのに、今もこのざまか」という言葉だ。

カン・チャンソク論説顧問
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