【寄稿】過剰な民族主義で生徒にうそを教える韓国史教科書

行き過ぎた民族主義に染まり証拠を無視する古代史
現代史では問題がさらに深刻
極度に閉鎖的な認識や古い解釈の教科書で生徒を指導

【寄稿】過剰な民族主義で生徒にうそを教える韓国史教科書

 ここ数年、韓国史研究者の間では、いわゆる民間の歴史研究家によるとっぴな古代史解釈を「似非(エセ)歴史学」などと激しく非難する声が上がっている。行き過ぎた民族主義にとらわれ、明確な文献的、考古学的証拠や事実を無視する彼らの主張に対し、最近になって批判の声が上がり始めたのはある意味当然のことだ。ところがこの種の問題は現代史の方がもっと深刻だ。実は大学などの歴史研究者や学界関係者も行き過ぎた民族至上主義や左派修正主義にとらわれており、民間の歴史研究家による古代史解釈に劣らず、あるいはそれ以上に深刻な歪曲(わいきょく)を行っているのだ。

 歴史教科書における歪曲は以前から深刻で、しかも長く修正されなかったため、この問題は以前からずっと韓国社会を混乱に陥れてきた。具体的な項目も非常に多いが、今回は世界史と韓国現代史を関連づける重要なテーマ「旧ソ連(ロシア)体制の本質と役割」について取り上げたいと思う。現状の韓国史教科書はその多くがソ連について「第2次大戦の最大の被害国であると同時に、連合軍が勝利を収めるに当たり最大の貢献をした」と評価し、東アジアや韓半島(朝鮮半島)における「解放軍」のように描いている。しかもこのような見方は今なお一種の聖域となったままだ。もちろんソ連が第2次大戦で最大の被害を受け、また連合国の勝利に大きな貢献したのは決して間違いではない。しかしこれはナチスのヒトラーが不可侵条約を破ってソ連に侵攻した後のことだ。

姜圭炯(カン・ギュヒョン)明知大学教授(現代史)
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