親の学歴・所得に伴う成績格差、韓国は拡大・米英は縮小

OECDの学習到達度調査で明らかに

 だが、韓国はこうした生徒の比率が06年の43.6%から昨年は40.4%と3.2ポイント低下した。社会・経済的背景の水準が下位25%に属する韓国人生徒の科学の成績は今なお高いが、その中で学力上位の生徒の比率はわずかながら低下しているのだ。

 一方、OECD加盟国の平均は同期間に27.7%から29.2%に1.5ポイント上昇した。日本は06年の40.5%から昨年は48.8%と8.3ポイント上昇し、トップだった。

■専門家「教育の公平性の悪化は国家成長にマイナス」

 OECD教育技術局PISAチームのチェ・アンナ政策分析官は「韓国は他国に比べて今なお学習到達度が高い方だが、過去に比べて基礎学力に満たない生徒の比率が上昇し、社会・経済的背景の影響力が強まるなど教育の公平性が悪化している」と説明した。

 韓国開発研究院(KDI)の研究委員も務める光州科学技術院のキム・ヒサム教授は「韓国では2000年代に入り、個人の努力で成功できる可能性が低下し始めたが、PISAでもこの傾向が確認されたのは非常に深刻なことだ」と述べた。その上で、教育の公平性の悪化は「社会統合的な面だけでなく、人的資本による国の成長にも非常にマイナスだ」と指摘した。

 キム教授はさらに「早くから(塾などの)私教育を受けた子どもたちが学校で高い成績を取り、良い大学に入り社会で成功するという可能性が高まる一方なら、人々の挫折感はますます強まるだろう。教育制度が階層移動のはしごとして機能するよう、制度改善が必要だ」と助言した。

キム・ヨンジュ記者
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