【コラム】口パクのK-POPにガッカリ

 速くて激しいダンスミュージック中心のアイドル音楽は、単なる音楽ではなく、フォーメーションダンスと音楽が結合した新しい形のエンターテインメントとして理解すべきだとの声もある。たとえ口パクでも大目に見てやるべきだという意味だ。だが、もしそうならば、厳密な意味で言って歌やコンサートとして見ることはできないだろう。それほどダンスの動きが重要なら「モダンダンス」、衣装が重要なら「ファッションショー」、言語以外の意味合いを強調したいなら「パントマイム」と呼べばいい。歌を歌いもしないのに、水槽の金魚でもあるまいし口をパクパクさせているなら、派手な動きでトランプを切って見ている人々をだます「いかさま師」とあまり変わらない。

 1990年代、放送界では不正が明らかになるたびに「口パク禁止」を大々的に打ち出していたが、最近はそういうことさえなくなった。地上波の音楽番組の勢いが以前ほどではないため、芸能事務所のニーズに合わせなければならないとうい状況も背景にある。しかし、小さな食堂でも食材の原産地表示をする昨今、目の前で聞いている音楽が本当に「ライブ(生)」なのか、事前に録音された「缶詰の音楽」なのか分からないなら、これほど悲しいことはない。韓流の競争力のためにも歌番組で画面の端に「ライブ」と表示するのは最低限の義務だ。

文化部=金性鉉(キム・ソンヒョン)次長
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