【コラム】文在寅大統領の「積弊清算」はまるで文化大革命

 だから、そのオーバー・アクションを目にして、世間では「彼らがターゲットなのではなく、その上にいる朴槿恵(パク・クネ)前大統領に罪をかぶせ、李明博(イ・ミョンバク)元大統領に(盧武鉉〈ノ・ムヒョン〉元大統領自死の)復讐(ふくしゅう)をするためにしているのだろう」という声が飛び交っている。暁星グループ再捜査も李明博元大統領をターゲットにしているといううわさまである。こうした話が事実なら、積弊清算はそんなに急がなければならないことだろうか? これだけやれば朴槿恵前大統領と李明博元大統領を追い込むだけ追い込んだと言えるのではないだろうか? 保守系野党「自由韓国党」の洪準杓(ホン・ジュンピョ)代表は「国家情報院の特殊活動費大統領府上納事件で処罰するには、検察から毎年100億ウォン(約10億円)の特殊活動費を上納されたという法務部も共に処罰しなければならない」と言った。

 文在寅大統領には国防・情報担当部処の元トップの捜査を終わらせ、制度改善へと「積弊清算」の方向を変えてほしい。それが不可能ならば、身柄を拘束せずに行うのが望ましい。文在寅政権は誰かの背後を暴いたり過去を引っかき回したりすることをもうやめ、前を見て未来に備える道を進むべきだ。積弊という「わな」を外そうとして、自分がその「わな」にかかる愚かさをこれ以上続けてはならない。最近の状況を見ていると、文在寅大統領は十分に統制権を握って国政運営しているのだろうかと疑念を抱く時がある。なぜなら、権力の中枢で働いた経験のある文在寅大統領なら、現在のような逮捕・捜査という恒例行事が果たしてこの国の将来の助けとなるのか知らないはずがないからだ。

金大中(キム・デジュン)顧問
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