【萬物相】韓国に嫁ぐベトナム人新婦たち

 2000年代初め、韓国の農村では「ベトナム人新婦と結婚しましょう」という垂れ幕がしばしば目に付いた。韓国人夫の虐待や嫁ぎ先との対立などで苦痛に直面している結婚移住女性の物語が、大きなニュースとして取り上げられることもあった。しかし昨年、韓国の新生児100人のうち5人は、多文化家庭(国際結婚、移民者家庭)で生まれた。初めて統計を取った08年の時点で1万3443人だった多文化家庭の出生者は、昨年は1万9431人になり、45%ほど増えた。さまざまな差別や周辺の無理解のせいで、学業から中途で離脱してしまう多文化家庭の子どもが増えているのは問題だ。13年から15年にかけて学校に行かなくなった多文化家庭の子ども1960人のうち、706人(36%)は「不適応」を理由に挙げた。

 韓国人・ベトナム人夫婦の間に生まれた2世を含め、多文化家庭の子どもが、韓国社会において「水に浮いた油」のような存在になってはならない。高句麗は鮮卑族や粛慎族を束ね、多民族国家として成長した。高麗の安定と発展も、異文化に対する開放と抱擁から始まった。「人口減少」時代において、多文化家庭の子どもたちは社会の重要な構成員になるだろう。韓国社会の将来は、多文化家庭の子どもたちをいかにして抱擁し、育てるかに懸かっていると言える。

アン・ヨンヒョン論説委員
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