【コラム】韓国がフィンランドに学ぶべきこと

 韓国ではどういうわけか「フィンランドに学ぼう」といった声が以前から根強かった。また教師や行政の担当者も毎年1000人はフィンランドの教育制度を学ぶため視察に行く。確かにフィンランドは家庭教師というものがほとんどないにもかかわらず高い学力を維持しているため、その仕組みや背景を学ぶのはとても良いことだ。ただしよくよく見るとフィンランドも教育では多くの悩みを抱えていることが分かる。デジタル時代についていけなかった教師たち、男女間の学力格差、校内暴力なども深刻だ。また最近は移民が増えた影響で、経済協力開発機構(OECD)による学力テストでも少しずつ順位が下がっている。

 フィンランドは何か問題に直面すると、常に独自の解決策を模索する。世界の教育政策の流れが「競争」の方向に進んだ時、人口が少ないフィンランドは「国が一つになることが重要」と考え「協力」や「平等」を最優先に掲げる教育政策を推進した。

 校内暴力問題も加害者の処罰や被害者の支援にとどまるのではなく「傍観する第三者の児童生徒たちも積極的に被害者の側に立つ」という新たな観点を導入した。男子が女子よりも学業成績が劣る傾向が鮮明になると、ボードゲームなどを使って男子の競争心理を刺激し、学習の意欲を高める方法を模索している。最近は多くの国で「第4次産業革命に備えた教育改革」を叫んでは大騒ぎだが、フィンランドでは「教育の本質である協調性やコミュニケーション能力を育てていけば、デジタル化にも十分対応できる」と比較的落ち着いている。このように他国の制度に倣うばかりではなく、従来の方法の長所を生かすことで、フィンランド独自の解決策を見いだそうとするやり方は固く守っている。

 つまりフィンランドから学ぶことがあるとすれば、それは何かの制度や方法ではなく「自分たちに合った独自のやり方」を模索するその態度ではないだろうか。

社会政策部=チョン・ギョンファ記者
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