【コラム】「北朝鮮拉致被害者も忘れないで」

 昨年10月に米国のトランプ大統領が日本の北朝鮮拉致被害者家族に面会するというニュースを聞いた時、ホさんは記者に「トランプ大統領が韓国の拉致被害者家族に会うという話はないのか」と尋ね「米国の大統領に訴えれば、生きているか死んでいるかくらいは分かるかもしれない」「兄の話が聞ければ、父も少しは安心して目を閉じられるのに」と訴えた。

 トランプ大統領は昨年11月、東京で米日首脳会談を終えた直後、1977年に北朝鮮に拉致された横田めぐみさんの母をはじめとする拉致被害者家族らと面会し「被害者たちが愛する家族の元に帰ってこられるよう協力したい」と述べた。めぐみさんの夫は1978年に全羅北道で拉致された当時17歳の高校生だったキム・ヨンナム氏だ。ヨンナム氏ら当時の高校生5人を含む北朝鮮に抑留中の戦後の韓国人拉致被害者は500人以上、韓国軍捕虜も500人以上だ。また6・25戦争(朝鮮戦争)中に北朝鮮に連れ去られた拉致被害者は9万6000人に上る。彼らの生死は今も全く分からない。

 米国のペンス副大統領は、北朝鮮から解放されて1週間後に死亡した米国人大学生ワームビアさんの父と共に平昌オリンピックの開会式に出席し、脱北者と面会することで北朝鮮の人権問題を大きく取り上げようとしている。ところが人権を重視する「キャンドル政権」を名乗る韓国政府だけがこの問題に沈黙している。北朝鮮拉致被害者家族や韓国軍捕虜の家族たちは「覚えていてください。今も北朝鮮の地には私たちの家族がいます」と今も必死で訴えている。

産業1部=アン・ジュンホ記者
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