【コラム】児童の心を傷つけるソウル市の慰安婦歴史教育

ドイツでは14歳以上のみがナチスの収容所を見学…残酷な犯罪は扱わず、心ある人の活躍を伝える
韓国では小学生の教材に「性奴隷」の表現…心理的ショックも考慮して保護すべき

 ドイツの14歳未満の子どもたちも、ナチス時代の歴史を学ぶ。ただし、むごたらしい内容を排除した「アウシュビッツなきアウシュビッツ」の原則が適用される。この原則に基づき、1941年以降に行われた残酷なユダヤ人絶滅犯罪は除外して、それ以前のユダヤ人差別などに限って教えている。それも、人間に対する否定的な認識を持つきっかけにならないよう、ナチスに立ち向かいユダヤ人を救ったシンドラーのような、心ある人々の活躍を併せて伝えている。

 いつごろからか、韓国社会では「子どもたちに真実を知らせるべき」という美名の下、幼い児童・生徒の心を傷めつけることが堂々と行われるようになった。セウォル号の惨事の日が巡ってくるたび、全国教職員労働組合(全教組)はいわゆる「4・16教科書」を用い、教育課程には属さない「契機授業」を行う。「ああ、私は本当に死ぬの?」など、犠牲になった高校生らが事故当時書いたメッセージを読ませ「自分がセウォル号にいたら言ったことを想像してみなさい」と問う。大人でも、そんな状況を思い浮かべたらわなないて冷や汗が出る。ましてや子どもとなると、言うまでもない。ある精神科の専門医は「年齢が低いほど状況を客観的に見る能力が足りず、その状況にのめり込むので、大きな心理的ショックを受ける。時には、真実から子どもたちを保護する必要がある」と語った。また別の小児精神科専門医は「外国では想像もできない児童虐待」と断言した。

 豪雨により洞窟に閉じ込められたものの奇跡的に生還したタイの少年サッカーチームの選手らを、数日前に外信記者が自宅訪問してインタビューした。洞窟に閉じ込められているとき、何を考えていたかなどを尋ねたという。この事実が判明すると、タイの法務当局は7月21日、「そうした質問は子どもたちの意識に残っている恐怖をよみがえらせかねない」と慨嘆した。これが常識だ。韓国の教室で繰り広げられていることをタイ政府が見たら、全く同じことを言うのではないか。

金泰勲(キム・テフン)出版専門記者

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