【寄稿】「中国の夢」実現には謙虚になれ

【寄稿】「中国の夢」実現には謙虚になれ

 歴史的に大陸で強大な統一国家が誕生するたびに、韓半島(朝鮮半島)では例外なく国が滅亡するか、戦争を経験した。漢の登場で古朝鮮が滅亡し、百済と高句麗は唐の登場で消滅した。高麗は明の登場直後に歴史から姿を消し、朝鮮は新興の清に南漢山城で屈服した。中国の浮上は韓半島に危機と激変を引き起こす死活問題だ。

 しかし、清日戦争(日清戦争)直前、清の袁世凱が朝鮮から撤退したことで、朝貢関係を通じた中国の朝鮮支配も終わった。檀君による建国以来初めて、韓国は20世紀後半に経済発展と民主化で中国を凌駕(りょうが)する先進国になった。

 トウ小平による改革開放で目覚めた中国は、朴正熙(パク・チョンヒ)大統領の国家主導輸出工業化政策を徹底的にまねた。最近には韓国が世界首位だった液晶パネル、造船などで韓国を追い抜き、半導体でも猛追撃をかけている。中国はまた、先端技術・産業の育成に向け、巨額の補助金を自国企業に提供する一方、中国に進出した外国企業には強圧的に技術移転を要求することで悪名高い。その主なターゲットは最高技術を持ちながら、なめられている韓国だ。中国の不公正行為について、韓国政府は終末高高度防衛ミサイル(THAAD)報復のせいにばかりしているように思える。中国の新シルクロード構想、一帯一路に対する関係国の期待感は「中国は周辺国を成長させる国ではなく、窮乏させる国だ」という愚痴に変わっている。

 経済発展は権力の多元化、民主化につながるという一般的な信念とは裏腹に、最近の中国は逆走している。終身政権が可能となった習近平国家主席に権力が集中していることが一例だ。過去の韓国における維新改憲論理と同様、中国が直面する困難を克服するためには強大な権力が必要だとの論理があるためだ。

 中国が直面する問題の本質は、高度成長が終わり、人民の期待水準が高まり、停滞局面が生じるいわゆる「中進国のわな」だ。過去70年で「中進国のわな」を脱し、先進国となった国々は韓国を含め、いずれも民主主義体制に移行することで問題を解決した。しかし、中国は世界史的に公認された道筋を拒否し、「民主化なき権力集中」で突破しようとしている。1億台を超える監視カメラと顔認識プログラム、乞食までもがスマートフォンの決済アプリを使用する情報技術などで人民の一挙手一投足を監視する恐ろしい統制社会が現実化する危険性がある。それでも「民主化なき先進国入りは難しい」という事実は変わらない。

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