【寄稿】「中国の夢」実現には謙虚になれ

 中国は2025年までに製造業、50年までに国力で米国を抜き、世界トップに立つという遠大な計画に基づき、覇権の挑戦状をたたきつけている。米中貿易戦争の様相は徐々に1930年代の第二次世界大戦前夜に似てきた。

 こうした中、中国はまるで父母が子どもをしかるように韓国に対している。習主席は他国の特使と会見する際、特使を自分の横の席に座らせるが、韓国の特使だけは香港やマカオの行政長官のように下座が割り当てられる。21世紀にはまれな「朝貢関係」の復活だ。

 朝貢関係を願う大韓民国国民は誰もいない。さらにポストモダンのささやかながら確実な幸せを夢見る韓国の若者が画一的国家主義の中国に親しみを感じるだろうか。

 中国は韓国の戦略的重要性を見過ごしている。中国は大小15の隣国に囲まれているが、うち9カ国と戦争を行い、8カ国は米国の同盟国だ。関係が良好な国はパキスタンと北朝鮮程度だ。15カ国の国内総生産(GDP)を合計すれば中国を上回る。周辺国の人口、国防費もいずれも中国より多い。韓国が中国の周辺国とのネットワーク、特にインド、日本、ベトナム、ロシアとの連帯を強化すれば、韓米同盟とは別途で中国に対する強力なてこを手にすることができる。

 今後の韓中関係は中国にかかっている。中国の浮上が隣国にとって決して否定的ではないという点を明確にしてこそ、隣国の警戒心が和らぎ、習近平政権が掲げる「中国の夢」も実現できる。中国だけに都合が良い一国反映の重商主義ではなく、トウ小平が夢見た中国の基本、すなわち「隣国の共生する謙虚さを知る」実用主義の大国へと中国が戻ることを望む。

尹徳敏(ユン・ドクミン)元国立外交院長、現韓国外国語大碩座教授

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