【コラム】宣銅烈とベンガル猫

 ドイツは今年のサッカー・ワールドカップ・ロシア大会で同国史上初のグループ・リーグ敗退という屈辱をなめ、国民から非難を浴びた。しかし、ドイツ代表のヨアヒム・レーヴ監督に向かって「なぜあんな選手たちを選んだのか」と怒鳴りつける政治家はいなかった。選手選抜と起用は監督の固有の権限だ。監督は結果に応じた責任を取ればいい。

 宣銅烈氏は40年以上も野球一筋という韓国野球の「国宝」だ。その人物が国政監査の場に立ったこと自体に多くの関心が寄せられた。宣銅烈氏を国政監査の場に立たせた国会議員は、おそらくその関心が自分に対して注がれているもののように勘違いして意気揚々としていたかもしれない。

 ところが、宣銅烈氏を国政監査の場に立たせた国会議員たちが国民の前で披露したのは、野球の専門家や国民の代理人が浴びせる鋭い質問ではなかった。「野球音痴」たちが犯しがちな無知さ加減をさらけ出すばかりだった。

 その姿を見ながら情けなさを感じたのは記者だけだっただろうか。平昌冬季五輪を前に世論の反対を押し切って南北合同チームを無理やり結成したように、スポーツを政治の道具にしようとする世の流れが「野球の国宝」までもベンガル猫と同じ扱いにしてしまったのだ。宣銅烈氏は「韓国代表監督が国政監査の場に立つのは、私が最初で最後になるように切に願う」と訴えた。2018年10月10日は韓国野球の「球恥日」として刻まなければならない。

スポーツ部=ヤン・ジヘ記者

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