【寄稿】不動産バブルが弾ければ韓国経済に大寒波

 韓国は人口構造上、過去のような住宅価格上昇を期待するのは難しい。既に住宅購入年齢の30-40代の人口が2008年にピークを迎え、現在は年間20万人余りずつ減少しているのだから、住宅需要が伸びるはずはない。ところが、昨年から再び不動産ブームが起きた。低金利に酔って急増した家計向け融資がきっかけだった。06年と似た典型的なバブル現象だ。残念だが最終的には弾ける運命だ。利上げではなく、強力な規制によって市場をまひさせたため、今後はハードランディングが避けられないとみられる。

 問題はバブルが弾けた後だ。今回の不動産ハードランディングの威力は以前よりもはるかに大きいだろう。今後利上げを実施しなければならないが、既に家計と自営業者、不動産業界を中心に多額の負債が存在する。雇用も減少が見込まれ、内需が改善する可能性はほとんどない。

 輸出も楽観できない。半導体、石油化学など主力産業の輸出はいつまで好況が続くか分からない。欧米経済が今年よりも上向くとは考えにくく、特に中国のリスク要因、すなわち国内総生産(GDP)の160%を超える企業債務問題や不動産バブルが弾ければ、影響は計り知れない。中国は米国の利上げと貿易圧力で苦痛を経験しており、その苦痛は韓国にも黄砂のように飛来するはずだ。

 不動産発の寒波が見込まれる中、輸出まで低迷し、人口減まで重なれば、経済はどうなるのか。深刻な状況は避けられないだろう。問題はこれといった対策がないことだ。経済はタイムリーに対処しなければ、不幸は一気に押し寄せる。現在韓国はそうした局面にある。こんな時だからこそ、企業経営者が活発に動くべきだが、「韓国を離れたい」という声ばかりが高まっている。現在韓国社会で躍動感があふれているのは労組だけだ。労働界が自制せずに市民団体が理念だけにこだわれば、本当に厳しい寒さが訪れることになる。

金大棋(キム・デギ)元青瓦台政策局長・檀国大招聘教授

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