【コラム】韓日の「天才棋士」育成法

 1月初め、第51回女子入段大会が始まった。菫さんは初出場を申し込んだものの、予選の対局をせずに出国した。日本棋院が「英才特別採用」制度を取り入れたとして帰国を勧めてきたため、これを受け入れたのだ。英才特別採用制度は、韓国、中国に押され、自国の将棋にも引けを取る日本の囲碁界が菫さんのために設けた突破口だった。2年間の韓国留学を終え、錦衣還郷した9歳の少女には、今年4月から日本史上最年少プロとして活動するという入段証が贈られた。

 惜しくもキム・ウンジさんは、今年の入段大会で負け、4年連続で苦杯をなめる結果となった。「こんな子が天才であるはずがない」と疑問視する声が上がる恐れもあったが、最強棋士たちが集まり、息の詰まるような雰囲気の中で行われる入段大会では、こうしたことがよく起こる。入段大会の狭き門を突破できず、優秀な人材たちが囲碁をやめていくケースがひんぱんに起こったことで、韓国棋院は2012年に英才入段大会を取り入れたものの、女子の間ではこうした制度がいまだに確立されていない。

 囲碁で成功するためには、入門も、入段も早い方がいい。多少粗削りでも、一度棋士の世界に入ってしまえば、学べるものは多いのだ。「高3」と「大学の新入生」のカリキュラムが全く違うのと同じだ。ウンジさんは再び「入段試験」の準備に取り掛かり、菫さんは本格的にプロ生活をスタートする。韓国と日本の天才に対する価値観と育成方法が大きく異なっているのが、ここ1週間で痛切に感じられた。これは単に囲碁界でのみ見られる現象なのだろうか。そうであることを願ってやまない。

イ・ホンリョル囲碁専門記者

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