【コラム】「努力の虫」イチロー

 ここ数年の間に韓国で使われるようになった新語に「努力虫(ノリョクチュン)」という言葉がある。努力ばかり強調する旧世代を皮肉る言葉で、個人が努力して得た能力ではどうにもならず、それよりも社会的・構造的要因の方が現実を左右するという意味だ。同様の言葉に、努力を強調するため音を伸ばした「努ー力(ノオリョク)」がある。

 だが、日本野球界の「伝説」イチロー(45)ほどの「努力の虫」はいない。イチローはひたすら努力してアジア人選手が米大リーグ(MLB)で通用することを示した。日本プロ野球で9シーズンにわたりトップクラスの成績を収めたイチローは2001年に大リーグ入りを宣言した。マッチョなホームランバッターが勢ぞろいする大リーグの中で、イチローはやせ形(身長180センチメートル・体重79キログラム)で決して大柄ではなかった。しかし、失敗するだろうという大方の予想を裏切り、大リーグ1年目に新人王とアメリカン・リーグ最優秀選手賞(MVP)をさらい、野球の本場に衝撃をもたらした。

 イチローは独自のやり方により大リーグで生き残った。全盛期に打席から一塁までを3.7秒で走ったイチローは、俊足を生かして約500本の内野安打を生み出した。何としてでもバットにボールを当て続け、18年間で大リーグ通算3089安打を記録した。日本での記録も含めると実に4367安打に達する。プロ野球史上、これを上回るヒットを打った選手はいない。

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  • ▲スポーツ部=イ・スンフン記者

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