前政権の「積弊清算」掲げる文政権もやっている恩賞人事

前政権の「積弊清算」掲げる文政権もやっている恩賞人事

韓国文化体育観光部(省に相当)傘下の32の政府機関役員436人全員について調査を行ったところ、年間数百億ウォン(数十億円)から数千億ウォン(数百億円)の予算を執行する政府機関において、恩賞人事、いわゆる「カムコーダー」が占める割合が8割を上回るケースもあった。カムコーダーとは「大統領選挙キャンプ(選挙運動本部)」「コード(政治的理念や傾向)」「共に民主党と関係が深い」という三つの要素(編注:韓国語の頭文字を取って「カムコード」)、あるいはこれらの要素を兼ね備えた人物のことを言う。文化体育観光部は前政権におけるいわゆる「ブラックリスト」事件で趙允旋(チョ・ユンソン)元長官が逮捕され、職員の多くが「積弊精算」の捜査対象となった部処(省庁)だ。政界では「政権が変わっても、自分たちの意向に沿う人物ばかりが入っているようでは、何も変わっていない」などの批判が相次いでいる。

■文化芸術委員会では恩賞人事の割合が8割以上

 演劇、文化、芸術などの創作活動や低所得層向けの文化活動を支援する韓国文化芸術委員会は年間の予算がおよそ2400億ウォン(約230億円)に達する。国政監査に提出された資料によると、この委員会では昨年9月時点で恩賞人事役員の割合は70%だったが、今年3月には81.8%にまで増えていた。

 外国人専用カジノを運営するグランド・コリア・レジャーも年間5300億ウォン(約513億円)の予算を執行するが、ここでの恩賞人事役員の割合は昨年の46.2%から今年は66.7%に増えた。年間90億ウォン(約8億7000万円)の予算が配分される韓国文化翻訳院でも恩賞人事の割合は今年から50%を上回った。

■専門性よりも文大統領と盧武鉉元大統領との因縁が優先

 昨年11月にグランド・コリア・レジャーの理事に就任したソン・ビョンゴン氏は、盧武鉉(ノ・ムヒョン)元大統領が設立した法務法人「プサン」や、盧武鉉・文在寅大統領の法律事務所などで32年にわたり訴訟に関する業務を担当してきたが、労働人権連帯室長などを除くと外国人カジノと関係する仕事をしたことはほとんどない。今年2月に理事に就任したキム・ドンボム氏もスクールや文化創作集団「ナル」の顧問など演劇関係の経歴はあるが、やはりカジノ関係の仕事をしたことはほとんどない。キム・ドンボム氏はイム・ジョンソク元大統領府秘書室長が理事長を務めていた南北経済文化交流財団の理事を務めたこともある。

ウォン・ソンウ記者
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