前政権の「積弊清算」掲げる文政権もやっている恩賞人事

　グランド・コリア・レジャーは崔順実（チェ・スンシル）ゲート当時、疑惑に関係したとされたイ・ギウ前社長が解任されるなど与党・共に民主党から集中攻撃を受けた公企業だ。そのため野党各党からは「現政権発足後も結局は同じことが起こっている」などの指摘が相次いでいる。

　韓国観光公社のソ・ミョンスク理事も文大統領夫妻との因縁で理事に就任したといわれている。済州オルレ（トレッキングコース）の理事長を務めたソ氏は昨年あるメディアとのインタビューで「人事主席室から連絡があって支援した」と明かしていた。ソ氏は2012年の大統領選挙で文在寅候補が落選し済州島にやって来た際、一緒に済州オルレを歩いたという。保守系野党・自由韓国党の金在原（キム・ジェウォン）議員は、盧武鉉政権で国政広報処次長を務めた韓国観光公社のアン・ヨンベ社長についても「専門性がない」と指摘する。国際放送交流財団のウ・ジョンヨン理事は、与党・共に民主党の朴範界（パク・ポムゲ）議員の補佐官を務めた経歴を理由に就任したという。

　韓国文化翻訳院は昨年10月に就任した理事のうち、韓国海洋大学のク・モリョン教授と壇国大学のソン・ウンエ教授は「文在寅候補支持宣言」を行ったことで知られている。昨年12月に韓国出版文化産業振興院の幹事に就任した会計士のキム・ギョンユル氏は参与連帯（左派政権に近い市民団体）出身だ。昨年11月に韓国文化芸術委員会の理事に就任したチョ・ギスク氏は文在寅候補陣営で文化芸術政策委員会に参加していた。ある野党議員は「今の与党は前政権に対して『積弊』などと批判し捜査まで行った。しかし彼らも自分たちの人間たちを落下傘で（政府機関に）入れていたわけだ」と指摘した。