【コラム】韓国の国民年金基金の枯渇と老人嫌悪

 公団が紹介したように、計算し直すたびに年金基金の枯渇時期予測は変わる。今まではおおむね経済活動をする人口が増えていたが、その後、受け取る年金額を減らす方向へ政府が年金制度を変更してきたため、資金の枯渇時期は過去の予測に比べ遅くなった。だが、今は一日も早く保険料率を引き上げること以外に、資金の枯渇時期を遅らせる方法が事実上、ない。予想を上回る少子化が進み、生産可能人口(15-65歳)は既に2017年から減少に転じている。今後は年金保険料を払う人が減っていくということだ。高齢化が急速に進んでいる一方で、年金受給者ばかりが増えている。

 政府がある限り、資金が枯渇したからと言って、年金支給が停止されるわけではないことは誰でも分かっている。だが、基金が枯渇すれば、年金を支給するために将来働く人々が自身の所得の20-40%を保険料として支払わなければならなくなる。小説のように、高齢者福祉のために払う税金や社会保険料が所得の約半分になる時代も近づいているのかもしれない。

 政府と国民年金公団は、何の対策もなしに「将来、年金を問題なく受け取ることができる」と大言壮語ばかりしていてはならない。そんなことをしていたら、小説『あなたの老後』に出てくる、おぞましい「老人嫌悪」が韓国で現実のものになる恐れもある。

社会政策部=洪準基(ホン・ジュンギ)記者

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