昨年11月に「韓米同盟の亀裂が深刻だ」という内容の大統領府文書が報道された時も同様だった。大統領府は形式・書体などを根拠に「大統領府の報告書ではない」と、まず否定した。そうした後に外交部が「震源地」だと目を付け、保安調査はもちろん、警察の捜査まで依頼した。だが、大統領府文書かどうかはまだ論争の種になっている。
大統領府警護処(省庁の1つ)処長が部下に家事をさせたという疑惑が報道されると、大統領府は「事実ではない」と否定した。そう言いながら、警護処職員150人以上に携帯電話の通話やテキストメッセージの履歴を提出するよう指示した。ここまで来れば大統領府の「とにかく否定」と「公務員の携帯電話調査」は習慣になっていると言ってもいいだろう。
しかし、「事実無根」だと言っておきながら、公務員の携帯電話を調べれば、「事実無根」だという説明そのものを覆すことになる。大統領府は国民に真実を隠したまま、公務員にばかり厳しくしているという印象を与える。そのように綱紀を引き締めたからと言って真実が隠せるわけではない。国民の不信を招くばかりだろう。