【萬物相】日本から北朝鮮に運ばれた戦略物資

 韓国の中道系野党・正しい未来党の河泰慶(ハ・テギョン)議員が昨日、日本の非政府組織(NGO)の資料を分析し「1996年から2013年まで日本で摘発された30件の対北朝鮮密輸出事件の中には、サリンなど生物化学兵器の原料となるフッ化水素やフッ化ナトリウムなどが違法に輸出されたケースもあった」と明らかにした。日本は韓国が戦略物資を北朝鮮にひそかに送っていたなどと主張し、韓国に対する経済報復を正当化しようとしているが、実際にフッ化水素を北朝鮮に密輸していたのは韓国ではなく日本だったというのだ。

 2016年にも日本の共同通信は国連の北朝鮮制裁委員会の報告書に基づき「金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長が視察した朝鮮人民軍の艦船3隻に日本製のレーダーが装着されていた」と報じた。「北朝鮮の無人機には日本製のカメラや遠隔受信機も使用されている」とも伝えた。14年に坡州で墜落した北朝鮮無人機には日本製のカメラが装着され、17年には北朝鮮が日本のクレーン車を使って中距離ミサイル「火星12号」を発射した可能性があると日本国内で報じられた。

 日本は今、韓国が強制徴用者の請求権に関する協定を破ったとの理由で経済報復に乗り出している。しかし北朝鮮に対する戦略物資輸出などは単なる言い訳にすぎない。韓国も日本も無用な論争はやめ、本質的な問題での解決策を見いだすことに頭を使ってほしいものだ。

アン・ヨンヒョン論説委員

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