拳の代わりに「カカオトークいじめ」…学校暴力被害6万人

 仲間外れにされた児童・生徒の41.4%が言葉による暴力を、14.7%はネットいじめを重複して経験していることが分かった。教育部は「仲間外れが他の暴力(いじめ)につながる傾向があるとみられる」と述べた。

 身体への暴力は多少落ち着いているものの、SNSを利用して知能的にいじめる現象が強まっていた。校内暴力全体のうち、身体への暴力(8.6%)は3年連続で減少した。調査が始まった2013年以降、初めてネットいじめ(8.9%)が身体への暴力とストーキング(つきまとい)の双方を上回った。

 ネットいじめはますます多様化し、執拗(しつよう)になっていた。ソウルのある小学校の教諭は「(SNSの)チャットルームに招待しておいて、ほかの児童たちが一斉にチャットルームを抜けて恥をかかせたり、チャットルームに何度も招待してはいじめる『カカオトーク監獄』など、新たなタイプのいじめが次々と生まれている」と話した。

 チャットルームで全員が特定の1人を意図的に無視する「カカオトーク幽霊」、対象の生徒の実名は書かないものの誰でも推測できるようにして陰口をたたく「狙撃」、チャットルームに招待した上で一斉に悪口を浴びせる「テカ」も子どもたちを苦しめた。学校関係者は「こうしたいじめは被害児童・生徒が自ら申告しなければ明るみに出ないため、学校で指導するのは容易ではない」と話した。

 子どもたちを最もひどく苦しめる相手は、遠くにいる誰かではなく「同じクラスの友人」だった。加害者は同じクラスの児童・生徒(48.7%)が最も多く、同じ学年の別のクラスの児童・生徒(30.1%)、同じ学校の別の学年の児童・生徒(7.6%)、別の学校の児童・生徒(3.2%)と続いた。

 校内暴力の被害を受けた児童・生徒らは概ね、両親など家族(42.2%)、教諭(26.9%)、友人や先輩(10.2%)に被害を打ち明け相談していた。しかし、被害者の5人に1人(18%)は誰にも言わずにいた。

 教育部は、2学期にさらなる調査を実施した上で、年末に「学校暴力予防および対策基本計画(2020-2024年)」を発表することを決めた。

クァク・スグン記者
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