学力は平均以下なのに…韓国の公教育支出はOECD平均以上

 これとは別に国際的に見て韓国の児童・生徒の学力が低下傾向にあることを示すシグナルも出ている。OECDが行っている「生徒の学習到達度調査」(PISA)によると、「読解力」が必要なレベルに達していない割合は韓国では13.6%(2015年)で、09年(5.8%)に比べて2倍以上増加した。「数学」も09年の8.1%から15年は15.4%、「科学」は6.3%から14.4%に増えていた。

■教師の授業時間はOECD平均よりも100時間以上少ない

 韓国における教師1人当たりの授業時間は昨年の時点で小学校675時間となり、これはOECD平均よりも108時間少なかった。また中学校は526時間で183時間少なく、一般高校も547時間で120時間少なかった。いずれも100時間以上の差だ。9年間の義務教育(小学校と中学校)のうち、小学校入学から中学1年生までの7年間は試験がなくなったことがまずは影響している。また全国に17人いる特別市・広域市・道などの市・道教育監(教育委員会に相当する教育庁のトップ)のうち、14人が左派で全国教職員労働組合(全教組)とも近く、学生(児童・生徒・学生)人権条例や教師の業務削減などを強調していることから、教師たちの授業や業務の負担が減少傾向にあるからだ。

 小中高校教師の年間の給与はOECD平均よりも高かった。1年目はOECD平均よりも少ないが、15年目になると逆転していた。OECDは基本給に各種手当てや福利厚生費をプラスし、これに各国の物価を反映して指数として給与を算出している。韓国における小学校教師の1年目の年収は3869万ウォン(約349万円)で、OECD平均の3937万ウォン(約355万円)よりもおよそ68万ウォン(約6万1000円)少なかった。しかし15年目になるとOECD平均の5472万ウォン(約494万円)よりも1338万ウォン(約121万円)多くなった。中学校と高校でも同じく15年目になるとOECD平均を大きく上回っていた。これについて韓国教育部の関係者は「公務員の号俸を適用せず、学校と教師が給与の面で契約を結ぶ国もあるので、単純な比較が難しい側面もある」とコメントした。

ユ・ソヨン記者
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