「非正常国家と五輪共同開催とは」…無中継サッカー波紋で対北政策懐疑論が拡大

■専門家ら「共同開催は事実上不可能」…脱北者「住民だけが苦労」

 専門家らは、昨年の平昌冬季五輪のときには南北協力のムードに後押しされてスポーツでの協力が可能だったが、今回の事態によって北朝鮮に対する世論が悪化し、五輪の共同開催は容易ではないとの見方を示した。峨山政策研究院のシン・ボムチョル安保統一センター長は「北朝鮮は民心が怖いということを知らないため、W杯の予選の試合を、たやすく我が政府を圧迫する手段として利用した」として「(韓国の)国民に再び不信感を植え付けただけに、波紋が続くだろう」と話した。さらに「このような状況で文大統領が五輪の共同開催について話すのは、雲をつかむような話だ」として「非核化進展の兆候もない状況で、果たして可能だろうか」と述べた。

 五輪の共同開催自体が不可能だとの指摘も出ている。チョン・・ソンフン元統一研究院長は「北朝鮮が核を放棄しない以上、国際社会が五輪の共同開催に同意しないだろう」として「1979年のソ連によるアフガニスタン侵攻を受けて、翌年の1980年モスクワ五輪を西側諸国がボイコットしたように、ソウル・平壌五輪も事実上『片側だけの五輪』になる可能性がある」と話した。

 脱北者たちは、五輪のような大型スポーツイベントがむしろ北朝鮮住民にとって大きな苦痛となる可能性があるとの反応を示した。脱北者同志会のソ・ピョンジェ事務局長は「仮に共同で五輪を開催するならば、全国の住民が平壌に呼ばれて強制労働など想像できないような苦痛を受けるだろう」と話した。脱北難民人権連合のキム・ヨンファ代表は「前日に南北がサッカーの試合をした金日成競技場も、多くの住民が強制的に動員されて作られた場所だ」として「仮に五輪が開催されるのなら住民には昼も夜も関係なく強制動員令が下されるだろう」と話した。

クォン・オウン記者
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