【コラム】小国モーリシャスがやったこと

 モーリシャスは小さな国だ。面積は韓国の50分の1程度で、人口は40分の1という水準にとどまる。2019年現在、モーリシャスの国内総生産(GDP)は142億ドル(現在のレートで約1兆5500億円、以下同じ)で世界126位。GDP1兆6300億ドル(約179兆円)、世界12位の韓国とは比べ物にもならないほどだ。

 ところが、自国民の健康と安全を最優先に考えるという点では、韓国よりも大国だと感じられた。実際、モーリシャスだけではない。世界最貧国の一つに挙げられる太平洋の島国キリバスは、どの国よりも早く、韓国を含め中国、シンガポール、マレーシア、ベトナム、タイ、米国などを訪問した場合、コロナ未発生国で14日間滞在して未感染の医療確認書を提出しないかぎり、自国に入国できないように措置した。

 新婚夫婦らのニュースが伝えられると、残念だという声があちこちから上がった。新婚夫婦一行に関する記事に付いたコメントはぐさりと来た。「韓国の人間はあんな扱いを受けているのに」という短いコメントには、5000件を超える「いいね」が付いた。

 臨時保護施設で2晩過ごしたキムさんが目にした、新婚旅行にふさわしい風景は、保護施設の鉄条網の外にちらりと見える海だけだった。キムさんは「すごく不便だが、その一方で、モーリシャス政府の措置は当然だという思いもある」と語った。この小さな国が当然だとしてやっていることを韓国はできないというのが、今、韓国国民が胸をたたいて嘆いている理由なのだろう。

イ・オクチン国際部記者

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