新型コロナでボロが出た…「植物機構」に転落した国連とWHO

 事実、安保理が先日、国連事務総長の主導で新型コロナウイルスに関する非公開ブリーフィングを開こうとした試みは中国に阻止された。中国は自分たちの責任論が高まるのではないかと思い、新型コロナウイルスは全世界の平和と安保にとって脅威にならないと主張した。大国間の動きが行き詰まると、バルト海の小国で安保理非常任理事国のエストニアが「新型コロナウイルス感染症のパンデミックは国際平和と安保にとっての脅威」という声明を発表した。「国連安保理は会議をインターネットで開くかどうかをめぐっても結論を出せないほど無気力な姿勢を見せた」と英紙フィナンシャル・タイムズは伝えた。ロシアが「会議の会場で会おう」と固執したことでもめたものだ。

 このような国連の姿は、過去の大規模な病気発生時とはかなり違う。2014年のエボラ出血熱によりアフリカで1万人以上が死亡した時、オバマ米大統領は国連安保理を通じて国連平和維持軍や米軍がエボラ出血熱を遮断するため活動できるようにした。その後、全世界から医師や研究者たちが西アフリカに派遣され、エボラ退治に乗り出した。2000年にエイズがアフリカで広がると、安保理はエイズを「安保の脅威」と規定、平和維持軍を通じコンドームを配布するなど、共同対処に乗り出した。

 今回の新型コロナウイルス感染拡大で、国際的リーダーシップの真空状態は世界保健機関(WHO)を右往左往させる一因となった。国際機関に対する米国の関心が減って、そのすき間に入り込んだのが中国だ。テドロス・アダノム・ゲブレイェススWHO事務局長は2017年に中国の支援を受けて選出された。

ワシントン=趙義俊(チョ・ウィジュン)特派員
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