新型コロナでボロが出た…「植物機構」に転落した国連とWHO

 中国は新型コロナウイルス感染症発生初期、WHOを利用して新型コロナウイルスの危険性を過小評価させた。WHOはしっかりとした検証もなしに「人と人の間では感染がない」という中国政府の虚偽の主張を繰り返し、決定的な予防時期を逃させた、と米時事誌アトランティックは伝えている。

 トランプ大統領もWHOを政治的に利用した。トランプ大統領は14日、WHOに対して「中国偏向」「情報隠ぺい」を理由に資金援助を中止すると発表した。トランプ大統領の資金援助中止は米国国内における新型コロナウイルス感染拡大の責任をWHOに転嫁する面が大きい。

 このような大国間の政治ゲームで最終的に被害を受けるのは、WHOに医療支援を依存している貧しい国々の国民だ、とアトランティックは報道している。現実的に見て、WHOは貧しい国々に医療支援を行えるインフラを備えた唯一の組織だからだ。米紙ニューヨーク・タイムズによると、ソマリアなどアフリカの10カ国は人工呼吸器が1台もないほど医療事情が劣悪だという。南スーダンには副大統領が5人いるが、人工呼吸器は4台しかない。いくら中国とWHOが憎いとしても、米国が支援を断てば、結局は力のない発展途上国の国民だけが死んでいくということだ。

 米外交問題評議会(CFR)のリチャード・ハース会長は先日、外交・国際政治専門誌フォーリン・アフェアーズへの寄稿文で、「今回の新型コロナウイルス危機は転換点ではなく、(既存の流れを)加速させるだろう」「米国の指導力は衰え、国際的な協力はさらに難しくなるだろう」と述べた。また、「(国際社会は)無政府的な社会になり、世界はさらに混乱すると見られる」と予測した。

ワシントン=趙義俊(チョ・ウィジュン)特派員
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