【寄稿】正義記憶連帯の積弊を契機に改めて考える慰安婦問題

被害者は元慰安婦なのに、挺対協・正義連と錯覚しているのではないか
慰安婦問題が解決されると存在理由や活動空間が縮小…利害関係衝突の余地あり

 第二に、韓国政府が掲げる「被害者中心主義」とは何か? 文在寅(ムン・ジェイン)政権が朴槿恵(パク・クンへ)政権の慰安婦合意を批判する論拠は、被害者中心主義を無視したというものだった。だが、被害者は元慰安婦なのに、挺対協・正義連だと錯覚しているのではないか? 大多数の登録された被害者は、亡くなる前、日本の適切な謝罪と補償を通した解決を望んでいた。一方で正義連としては、慰安婦問題の解決は自らの存在理由と活動空間の縮小を意味するという点で、利害関係が衝突する部分がある。15年の韓日慰安婦合意当時、挺対協は被害者に対し、日本の資金の受領を拒否するよう勧めたが、生存する被害者47人のうち36人が挺対協の勧めを無視して補償金の受領を選んだ-という事実は、挺対協・正義連と被害当事者の利害関係が相違していることを立証している。韓国国税庁のホームタックスに公示されている通り、挺対協・正義連が過去4年間に集めた後援金49億2000万ウォン(現在のレートで約4億2800万円)のうち、被害者支援に使った額が9億2000万ウォン(約8000万円)にすぎないのであれば、ほかの目的を追求するため慰安婦被害者を利用し、慰安婦被害者に寄生してきた団体だという非難を免れ難いだろう。正義連が反日を韓国の存在価値として尊ぶ勢力を代弁し、政治的打算を働かせることに魂を売ったのであれば、慰安婦被害者の利益は政治的目的に従属してしまう。韓国政府が「挺対協・正義連は被害当事者の利益を代表している」と錯覚し、慰安婦問題の解法を探ろうとしたのであれば、それは被害者中心主義を無視するものだ。

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